国際シンポジウムで質問を聞くために掘田秋津助教に近づくジョンガードン博士
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一般の方対象シンポジウム
「iPS 細胞 再生医学研究の最前線」開催!

1 月27 日(日)の午後、神戸市内で、文部科学省「再生医療の実現化プロジェクト」 とCiRA 共催の一般の方対象シンポジウムを開催しました。かなり冷えて寒い天気であったにもかかわらず、 784 名の方が参加し、会場は熱気に包まれました。また、このイベントはウェブで配信され約400 名がご覧になりました。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

講演のトップバッターは地元神戸にある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹グループディレクターです。自然に細胞が立体構造を作る性質を利用して、iPS 細胞や胚性幹(ES)細胞などの多能性幹細胞から、立体的な網膜や脳の一部などの複雑な組織を形成する取り組みについて紹介しました。

続く慶應義塾大学の岡野栄之教授は、iPS 細胞技術を利用した脊髄損傷の再生医療への取り組みや、アルツハイマー病、パーキンソン病、白質ジストロフィーなど、さまざまな神経疾患の患者さんからiPS 細胞を作製し、その病態を明らかにする試みについて紹介しました。

三人目の講演者は東京大学の中内啓光教授です。がんを攻撃するリンパ球(T 細胞)からiPS 細胞を作製し、細胞の数を増やしてからT 細胞へと分化させて生体内に戻し、がん細胞を攻撃させるという新しいがん免疫治療法を開発する研究について紹介しました。

休憩をはさみ、後半はCiRA 臨床応用研究部門の井上治久准教授が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんからiPS 細胞を作製し、神経細胞に分化させることで、細胞レベルで病態を再現し、さらに治療薬を探索する試みについて語りました。 続いて、CiRA の山中伸弥所長が、免疫拒絶反応を起こしにくいiPS 細胞を備蓄し、国内外へ提供するためのiPS 細胞ストック構想(12 ページ) についての現状と今後の展望について話しました。

シンポジウムの終盤では、参加者から事前に寄せられた質問や会場からの質問に対し、講演者や文科省関係者らが回答しました。 会場からは、iPS 細胞とがん細胞の違いについて、どのようにして目的とする細胞や組織器官を作製する為に必要なたんぱく質などを探すのか、といった質問が挙がっていました。日本の再生医学を牽引する研究者の話に参加者は熱心にメモを取るなどしながら耳を傾けていました。講演の動画は後日ホームページにて公開します。

なお、このシンポジウムは、内閣府「最先端研究開発支援プログラム(FIRST プログラム)」の支援を受けて開催されました。

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CiRA カフェ番外編開催!

CiRA 研究棟 1 階のエントランスホールでは月に 1 回程度のペースで 13 回の CiRA カフェ・FIRST を開催しています。 1 月 27 日(日)には出張 CiRA カフェ・FIRST in 神戸を、3 月10 日(日)には CiRA カフェ・FIRST in English を番外編として開催しました。

ALS 研究について紹介する井上准教授

ALS 研究について紹介する井上准教授

出張 CiRA カフェ・FIRST in 神戸

同日に開催された一般の方対象のシンポジウムに合わせ、神戸市庁舎24 階にある UCC カフェコンフォートが会場です。「iPS 細胞技術で神経の難病に挑む」と題し、井上治久准教授が筋萎縮性側索硬化症(ALS) という難病の治療方法を見つけたり 、薬の開発をしたりするためにiPS 細胞を使っていることを紹介しました。夕食時の開催で、食事をしたり、お酒を飲みながら、話に耳を傾ける参加者もおり、いつもとはちょっと違う雰囲気でした。

自身の研究について語るイアン・ウィルマット博士

自身の研究について語るイアン・ウィルマット博士

CiRA カフェ・FIRST in English

国際シンポジウムで講演するイアン・ウィルマット博士をゲストに迎え、3 月 10 日に英語(同時通訳有)でのカフェを開催しました。 ウィルマット先生はわかりやすい英語で、クローン羊ドリーからiPS 細胞までの大きな研究の流れを紹介してくださいました。 フリージャーナリストの小出重幸さんがモデレータを務め、参加者は、研究だけでなく、ウィルマット先生の人柄にも触れることができました。

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Event

イベント

CiRA 国際シンポジウム 2013 を開催しました

3 月 11 日と 12 日に、京都大学百周年時計台記念館で、第2回目となるCiRA 国際シンポジウムを開催しました。 昨年よりも規模を大きくし、2 日間でおよそ 550 名の研究者が国内外から参加しました。

会場入口の看板

会場入口の看板

退官記念の花束を山中所長から受け取る西川博士

退官記念の花束を山中所長から
受け取る西川博士

ポスター賞の授賞式

ポスター賞の授賞式

ポスター発表会場の様子

ポスター発表会場の様子

3 月11 日、京都大学では前期試験の合格発表の翌日ということもあり、新しい春の風が吹き始めた午後、世界中からiPS 細胞関連分野の研究者が時計台記念館に集まりました。

"Raising the Next Generation of Stem Cell Research" と題し、幹細胞研究の未来を占うような最新の研究内容を、各国を代表する著名な研究者 14 名に講演していただきました。

大きく分けて 2 つのテーマを設定しました。一つは、iPS 細胞を作製する基盤的技術とも言える、核の初期化メカニズムに関する研究であり、もう一つは、iPS 細胞などの幹細胞を使って難病に対する新たな治療法を産み出す研究です。

初期化メカニズムの研究者としては、米国のハーバード大学やホワイトヘッド研究所、英国のケンブリッジ大学や ドイツのマックスプランク研究所の研究者に加え、2012 年に山中伸弥所長とともにノーベル生理学・医学賞を受賞した ジョン・ガードン博士が発表を行いました。

幹細胞を使った治療法の研究については、1996 年にクローン羊「ドリー」を誕生させたことで有名な英国エジンバラ大学の イアン・ウィルマット博士を始め、米国グラッドストーン研究所、ハーバード大学、慶應義塾大学や東京大学の科学者が、 心疾患や筋萎縮性側索硬化症などについて最新データを用いて現状を報告しました。

最後のセッションでは、iPS 細胞を備蓄するストック構築の取り組みについて、米国立衛生研究所とCiRA の研究者が講演しました。

2日目には京都大学出身で理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの西川伸一博士より、「Development of Hematopoietic Stem Cell: My Final Scenario」と題した特別講演が行われました。西川博士は、この3月で退官されるとのことで、山中所長から花束が贈呈されました。

また、CiRA でFIRST プログラムに関わる2名の研究者が、FIRST プログラムにおける最新の成果を報告する Topics from the FIRST Program が行われ、海外講演者らと活発に議論を行いました。

2 階の国際交流ホールでは、82件のポスター発表も行われ、国内外の幹細胞に関する研究グループが、それぞれの最新の研究成果を披露しました。1 日目と2 日目に各1 時間のポスター発表時間を設けたところ、会場を埋め尽くす程の参加者がポスターの前で熱い議論を交わしていました。特に優秀なポスター発表をした3 名には、ポスター賞が授与され、山中所長から賞状とトロフィーが、ガードン博士からは講演者全員のサインが 入った色紙が贈られました。

昨年、ノーベル賞を受賞した山中所長とガードン博士が参加したこともあり、多数のメディアが取材にやってきました。シンポジウム開始直前には二人の記者会見が行われ、ガードン博士は、「初めて京都を訪れたのがおよそ50 年前。また来られて嬉しい」と来日の感想を話しました。一方、山中所長は「ノーベル賞を受賞してから多くの行事があり、なかなか研究に戻れなかったが、今回のシンポジウムをきっかけに本格的に研究へ戻りたい」と述べ、今後一層研究に力を注ぐことを表明していました。

なお、このシンポジウムは、内閣府「最先端研究開発支援プログラム(FIRST プログラム)」の支援を受けて開催されました。

講演者全員の集合写真 左から、中内啓光、リチャード・ヤング、コンラッド・ホヘドリンガー、オースティン・スミス、ハンス・シェラー、ケビン・エガン、エイミー・ウェイジャーズ、山中伸弥、西川伸一、ジョン・ガードン、ディーパック・スリバスタバ、イアン・ウィルマット、マヘンドラ・ラオ、岡野栄之(敬称略)

講演者全員の集合写真
左から、中内啓光、リチャード・ヤング、コンラッド・ホヘドリンガー、オースティン・スミス、ハンス・シェラー、ケビン・エガン、エイミー・ウェイジャーズ、山中伸弥、西川伸一、ジョン・ガードン、ディーパック・スリバスタバ、イアン・ウィルマット、マヘンドラ・ラオ、岡野栄之(敬称略)

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New research

研究成果①

ヒト iPS 細胞を用いて腎臓の一部構造を再現

増殖分化機構研究部門の前伸一大学院生と長船健二准教授らの研究グループが、ヒト iPS 細胞を分化誘導させ、腎臓や生殖腺などの元となる中間中胚葉へと高効率に分化させることに成功しました。 腎臓再生に向けた大きな一歩を踏み出したといえます。この研究成果が科学雑誌『 Nature Communications』に掲載されました(注)。その内容について長船准教授に質問しました。

長船健二准教授と前伸一さん

長船健二准教授と前伸一さん

腎臓再生は難しいのですか?

腎臓は他の臓器とくらべて、多数の細胞が組み合わさっており、とても複雑な立体的な構造を作っています。また、不要な物質を尿として排出したり、血圧を調節したり、赤血球の合成を進めるなど様々な役割を果たしています。腎臓はいったん傷つくと修復することが殆どできず、傷が蓄積して機能不全が進行すると人工透析により命をつなぐことになります。日本の透析患者数は 30 万人を超え、透析医療費は全医療費のおよそ 6% を占めていて、腎臓を再生する研究が期待されています。

中間中胚葉とはなんですか?

iPS 細胞や ES 細胞から腎臓の細胞へと分化させる試みが行われていますが、誘導する技術は完成していません。 これまでの発生生物学的研究から腎臓は中間中胚葉から発生することがわかっています。iPS / ES 細胞から中間中胚葉を高効率に誘導することは、腎臓の細胞を誘導する上で最初の重要なステップとなります。

図1 ヒトiPS 細胞から腎臓細胞へと分化させるステップ今回効率良く誘導する方法を確立した中間中胚葉は、腎臓だけではなく、副腎や生殖腺の細胞にも分化する能力をもっている。

図1 ヒト iPS 細胞から腎臓細胞へと分化させるステップ
今回効率良く誘導する方法を確立した中間中胚葉は、腎臓だけではなく、副腎や生殖腺の細胞にも分化する能力をもっている。

図2 中間中胚葉から誘導した一部の細胞で腎尿細管の構造を形成  青い部分が細胞の核を示している。オレンジ色に見える(赤と緑が混ざっている)部分が中間中胚葉から誘導された腎尿細管であることを示しており、管構造を形成していることが分かる。
 青:核 緑:ヒトミトコンドリア(ヒト中間中胚葉由来の細胞であることを意味する) 赤:LTL(尿細管細胞のマーカー遺伝子) 図中のバーは50μm を示す。

図2 中間中胚葉から誘導した一部の細胞で腎尿細管の構造を形成
青い部分が細胞の核を示している。オレンジ色に見える(赤と緑が混ざっている)部分が中間中胚葉から誘導された腎尿細管であることを示しており、管構造を形成していることが分かる。 青:核 緑:ヒトミトコンドリア(ヒト中間中胚葉由来の細胞であることを意味する)赤:LTL(尿細管細胞のマーカー遺伝子)図中のバーは50μm を示す。

今回の研究でできたことは何ですか?

まず、iPS 細胞が中間中胚葉へと分化したことを簡単に判別する仕組みを作りました。その方法を用いて、ヒト iPS 細胞や ES 細胞から中間中胚葉へと分化させる最適な方法を見つけました。様々な成長因子のうち、BMP7 (bone morphogeneticprotein 7 ) 、アクチビン A および低分子化合物 ( CHIR99021 ) を細胞に作用させ、高い効率で中間中胚葉を作ることができるようになりました。作製した中間中胚葉をマウス胎仔の腎臓細胞と共に培養したところ、一部の細胞で管状の構造を形成し、腎臓の立体構造の一部を作る能力があることがわかりました。

今回の研究成果のもつ意義は?

中間中胚葉は、腎臓・副腎・生殖腺の 3 種にしか分化しません。中間中胚葉を効率良くつくることで、腎臓再生に向けて大きな一歩を踏み出したといえます。今後は中間中胚葉を腎臓の細胞へと効率よく、かつ特異的に分化する方法を開発する必要があります。
また腎臓以外にも、副腎や生殖腺の再生医療にも応用が期待されます。


【論文名】
Monitoring and robust induction of nephrogenic intermediate mesoderm from human pluripotent stem cells
【著者名】
Shin-Ichi Mae, Kenji Osafune et al.,

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New research

研究成果②

高齢化社会におけるアルツハイマー病の
新たな医療開発を目指して

臨床応用研究部門の近藤孝之大学院生と井上治久准教授らのグループによる論文が米国の科学雑誌『Cell Stem Cell』 のオンライン版に掲載されました(注)。井上准教授にその成果について聞きました。

アルツハイマー病とはどのような病気ですか?

進行性の記憶障害を伴う認知症のことで、老年期認知症の中で最も多い疾患で、高齢化社会を迎えるにあたり、年々発症する方が増えています。中高年で発症し、徐々に進行して生活に支障をきたすようになり、最終的には意思の疎通が難しくなります。その病理特徴としては、脳内に老人斑と呼ばれるタンパク質の蓄積が見られます。この老人斑の主成分はアミロイドβ( Aβ )と呼ばれており、アミロイド前駆タンパク質( APP )の 一部が切りだされて生じることがわかっていますが、ヒトの脳での病態への関わり方には諸説があり、どの説もまだ決定的にはなっていませんでした。

アルツハイマー病の研究をすすめる上で難しい点はどんなところでしょうか?

iPS 細胞が誕生するまでは、患者さんの生きた神経細胞を手に入れ、病態を解析することができませんでした。また、私達が扱えるのは既に病気を発症した状態の細胞のみで、発症するまでの過程を探ることもできませんでした。 しかし、患者さんの皮膚などの細胞から iPS 細胞を作製し、さらに神経細胞にまで分化させて、その病態を探ることができるようになりました。アルツハイマー病は加齢に伴い症状がでる病気なので、シャーレの中で再現するためには工夫が必要でした。

写真:神経細胞内に蓄積したAβ の様子  神経細胞内に蓄積するAβ が黄色い点として観察できる。健康な方から作製した神経細胞では、このような点がみられない。黄:Aβ オリゴマー、青:細胞核、赤:神経細胞

写真:神経細胞内に蓄積したAβ の様子
神経細胞内に蓄積するAβ が黄色い点として観察できる。健康な方から作製した神経細胞では、このような点がみられない。
黄:Aβ オリゴマー、青:細胞核、赤:神経細胞

記者に説明する長崎大学岩田教授、CiRA 井上准教授、CIRA 近藤孝之さん(左から)

記者に説明する長崎大学岩田教授
CiRA 井上准教授
CiRA 近藤孝之さん
(左から)

今回はどのような研究をされたのでしょうか?

アルツハイマー病のうち、遺伝性(若年で発症する)患者さん2 人、孤発性(高齢で発症する)患者さん 2人から iPS 細胞を作製し、神経細胞へと分化させました。これらの神経細胞を健康な方と比べると、遺伝性1人、孤発性1人で、神経細胞内に Aβ が十数個連なった、 Aβ オリゴマーが蓄積することが分かりました。このとき、細胞内では、タンパク質の折り畳みがうまくいかなくなることにより起きる小胞体ストレスや活性酸素などによる酸化ストレスが生じていました。さらに、低濃度のドコサヘキサエン酸( DHA )をこれらの神経細胞に加えると、ストレスが軽減することがわかりました。

今回の研究成果はどのような意義があるのでしょうか?

これまで、高齢で発症する疾患を、シャーレの中で再現することが可能なのか、という疑問がありましたが、今回の研究でそれが可能であることがわかりました。実際に症状が高齢で発症するのは、神経細胞周囲の細胞が神経細胞を守っているからかもしれません。
また、神経細胞外に Aβ が蓄積することがアルツハイマー病の病理的特徴として、一般的に知られていました。ところが、今回の研究により、おなじアルツハイマー病患者さんでも、Aβ が細胞外に増加する方、細胞内に蓄積する方がいらっしゃることが分かり、さらに細胞内に蓄積することによって生じる細胞のストレスは、DHA によって軽減されることが明らかになりました。今後、さらに詳細な解析を進めることで、患者さんの発症を予測すること、またその病態のタイプを確定することができる可能性があるのではないか、と考えています。さらにはそれぞれのタイプに応じた治療を発症前から行う、いわゆる先制医療に iPS 細胞を役立てることができる可能性があるのではないか、と考えています。


【論文名】
Modeling Alzheimer’s Disease with iPSCs Reveals Stress Phenotypes Associated with Intracellular Aβand Differential Drug Responsiveness
【著者名】
Takayuki Kondo, Haruhisa Inoue et al.,

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Press conference

iPS 細胞ストックについて

iPS 細胞ストックの記者勉強会を行いました

CiRA が準備を進めている再生医療用 iPS 細胞ストックについて、3 月 4 日に記者向けの勉強会を開催しました。 再生医療推進室の高須直子室長・松永亜佑美室員、齋藤潤准教授、沖田圭介講師が、 今年中にも開始する予定の iPS 細胞ストック計画について紹介しました。

なぜiPS 細胞をストック(備蓄)するのですか?

患者さん本人から iPS 細胞を作ると、拒絶反応がなく、倫理的な問題もなく細胞を移植することができます。 しかし、一株の iPS 細胞を作製するのに多大な費用と時間がかかります。 そこで、あらかじめ iPS細胞を作製し、ストックすることで、費用や時間の低減を図れます。

どのような細胞をストックするのですか?

拒絶反応を少なくするため、HLA(ヒト白血球抗原)という細胞の型が適合しやすい特殊な HLA 型(HLAホモと呼ばれる)の 健康な方から血液など細胞を提供していただき、iPS 細胞を作り、ストックします。

iPS 細胞ストック・プロジェクトの目標は何ですか?

短期の目標として、5 年以内に日本人の30~50% をカバーする iPS 細胞株のストックを作製し、 長期目標としては、10 年以内に日本人の大半に適応できるストックを作製することを計画しています。

どのような方から細胞の提供を受けるのですか?

以下の2 つの方法で細胞の提供 をお願いします。

  • 京都大学医学部附属病院の各診療科の医師からドナーの候補者の方に研究協力についてご紹介いただき、 ドナー候補者の方の自由意志で CiRA にご連絡いただく。
  • 日本赤十字社献血ルームに成分献血に来られた方にポスター等で周知し、日本赤十字社よりドナー候補者に研究協力依頼文を発送していただき、 ドナー候補者の自由意志で CiRA にご連絡いただく予定です。

いずれの場合も、今までに HLA型の検査を受けておられる方で、HLA ホモ型の健康な方が対象です。

iPS 細胞ストックを使って、どのように研究を進めていくのですか?

iPS 細胞を使った再生医療の研究を行なっている理化学研究所、大阪大学、慶應義塾大学などと協力して、 作製したiPS 細胞が有効かどうかのチェックを行い、再生医療に利用可能な iPS 細胞を、研究機関や医療機関に迅速に提供できるように準備する予定です。

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CiRA members

CiRA で働く人々

カナダからやってきた主任研究者

この4月から京都大学白眉プロジェクトの研究者として採用されたクヌート・ウォルツェン准教授 (初期化機構研究部門)にインタビューしました。

クヌート・ウォルツェン准教授

クヌート・ウォルツェン准教授

私は、カナダのアルバータ州の田舎で育ちました。自然の中で遊び、たくさん本を読みました。子供の頃は、恐竜を研究する古生物学や生物の多様性や環境への順応性に興味をもち、生物の DNA 情報も環境に応じて変化することに好奇心をかき立てられたものです。ですが、科学者になるとは夢にも思わず、空軍のパイロットになりたかった。でも、パイロットの将来が明るいとは思えず、大学進学を選びました。

アルバータ大学では、分子遺伝学を専攻しました。卒業後はカルガリー大学大学院で研究に取り組み、在学中に九州大学医学部に研究員として勤めました。日本語もほとんど分からないまま来日し、困ったこともありましたが、すぐに日本が気に入り、楽しい日々を過ごし、後に妻となる女性とも出会ったのです。一旦、カナダに戻り、iPS 細胞の研究を始めたのですが、CiRA でポストを得て、今度は家族とともに京都に来ました。

私は、これまでの研究を活かして、ゲノム内にどのような情報が蓄えられているのか、その情報がどのように使われることによって健康でいられるのか、あるいは病気になるのかについて理解を深めていくことで、医療に貢献したいと思っています。また、何が私たちをヒトたらしめているのか、過去の遺伝子の変化がヒトにどのような影響を及ぼしてきたのか、そしてこれからどのように及ぼしていくのかなど興味が尽きません。

主任研究者としては、分かっていることと分かっていないことを洗い出し、分かっていない問題をどのように解決するのか決めていかなくてはなりません。そのためには、研究室のメンバーの考えに虚心に耳を傾け、良いチームを作ることが重要と思います。研究室の運営には、時間と人と研究費を有効に活用することが求められます。カナダのオンタリオ子ども病院ヒト iPS 細胞施設の管理を行った経験が役立っていますが、まだまだ学ぶことがたくさんあります。

日本での生活は毎日が冒険です。言葉が一番の壁ですが、困ったことも結構楽しんでしまう性質だし、日本人は親切で困ったときは助けてくれます。研究も日常生活もチャレンジ精神で乗り越えていけると思います。

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CiRA news update

CiRAアップデート

4/1

新たに上廣倫理研究部門を設置し、八代嘉美前慶應義塾大学特任准教授が特定准教授に就任しました。また阿曽沼慎司前厚生労働事務次官が、所長室の顧問(特定研究員)に就任しました。

3/13 − 14

国際シンポジウムに招待した海外講演者8 名を招き、CiRA リトリート(研究合宿)を琵琶湖畔で開催しました。115 人が参加し、研究発表やポスター・セッションに加えて、余興の音楽やダンス、研究者人生について質問する、海外講演者によるパネルディスカッション、と盛りだくさんのプログラムで、研究者間の交流を深めました。

リトリート集合写真

リトリート集合写真

3/11 − 12

CiRA 国際シンポジウム2013 を京都大学時計台百周年記念館で開催しました。(5 ページ)

3/10

ブリティッシュ・ カウンシルと共催で、CiRA カフェ・FIRST を開催しました。(4 ページ)

3/4 − 22

CiRA 研究棟1階のギャラリーで、CiRA メンバーによる写真展を開催しました。細胞から研究風景やとんびの親子まで様々なテーマの写真15 点を展示しました。

3/4

国際シンポジウムと再生医療用 iPS 細胞ストックに関するメディア勉強会を開催しました。(12 ページ)

2/22

井上治久准教授(臨床応用研究部門)と岩田修永教授(長崎大学)の研究グループの成果が米国科学誌 Cell Stem Cell にオンライン公開されました。(10 ページ)

2/21

山中伸弥所長が、ライフサイエンス・ブレイクスルー賞財団による同賞を10 人の科学者とともに受賞しました。

2/20

平成 24 年度第二回ヒト iPS 細胞樹立・維持培養および応用技術講習会を開催しました。

2/13 − 15

平成 24 年度第六回ヒト iPS 細胞樹立・維持培養実技トレーニングを開催し、エピソーマルベクターを用いたヒト iPS 細胞樹立方法の研修を行いました。

1/27

神戸大学サイエンスショップとの共催で、出張 CiRA カフェ・FIRSTを開催しました。(4 ページ)

1/27

文部科学省「再生医療の実現化プロジェクト」と共催で一般の方対象シンポジウムを神戸芸術センターで開催しました。(2 ページ)

1/23

長船健二准教授(増殖分化機構研究部門)の研究グループによる成果が Nature Communications にオンライン公開されました。(8 ページ)

12/27

第12 回CiRA カフェ・FIRST「 iPS 細胞がひらく遺伝子治療の可能性」を開催しました。ギターとフルートの演奏の後、初期化機構研究部門の堀田秋津助教が遺伝子治療の問題点と、iPS 細胞を使って問題点をどのように乗り越えようとしているのかについて話をしました。

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CiRA Q&A

iPS細胞 なんでも Q & A

患者さんの細胞を用いてどのような研究をするのですか?

いろいろな病気の患者さんから皮膚や血液などの細胞をご提供いただき、iPS 細胞を作製しています。 その iPS 細胞から病気の部分の細胞(目的細胞)に分化させます。 目的細胞を使って、病気の細胞のなかでは何が起きているのかを調べ、病気の原因を探ったり、病気を治療する候補物質を探したりします。 これまでにも遺伝子を改変したモデル動物を用いて同様の実験が行われてきましたが、iPS 細胞はより患者さんの細胞の状態に近い細胞であり、 病気の細胞内で起きているイベントが詳しく分かる可能性があります。

iPS 細胞研究所( CiRA )では、どのような病気について研究をしているのですか?

主に増殖分化機構研究部門、臨床応用研究部門の研究者が中心になり、様々な病気の研究を行っています。 例をあげると、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症( ALS )やアルツハイマー症などの神経細胞が変性して起こる病気、 筋ジストロフィや進行性骨化性線維異形成症など骨や軟骨に異常が起こる病気、慢性乳児神経皮膚関節 ( CINCA ) 症候群など 小児の病気、腎臓、肝臓、膵臓の病気や血液の疾患です。
病気の研究と一口に言っても、iPS 細胞から病気の部分の細胞に分化させる方法を研究する段階のものもあれば、 その病気の治療に役立つ化合物を探している段階の研究もあり、病気によって研究の進み具合も様々です。 これは、神経の様にiPS細胞から分化させ易い細胞と、腎臓の様に分化させることが難しい細胞があるからです。

iPS細胞研究のために、細胞を提供したいのですが、どうすればいいですか?

京都大学では大きく分けて2種類の iPS 細胞を作製しております。 一つは疾患特異的 iPS 細胞で、もう一つは再生医療用 iPS 細胞です。 いずれも治療を目的とした患者さんからの iPS 細胞作製は行なっておりません。 疾患特異的 iPS 細胞は、疾患の仕組みの解明や、新しい薬を作る研究のために利用されます。 患者さんからのお申し出は京大病院 iPS 細胞臨床開発部にて受け付けておりますが、施設の物理的制限などもあり、 全ての方の作製依頼にお応えできるとは限りません。 また、再生医療用 iPS 細胞については、一般に広く募集をしているものではありません。(12 ページ)
現在、多くの方々から細胞提供のお申し出のご連絡を頂いていますが、お気持ちだけをありがたく頂戴しているという状況です。 皆さまのご厚意に報いられるよう精一杯研究を進めてまいります。

その他詳細については京都大学病院臨床開発部のウェブページをご覧ください。
http://ips.kuhp.kyoto-u.ac.jp/qa/index.html#ips

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From CiRA

iPS 細胞研究基金

iPS細胞研究基金へのご支援のお願い

iPS 細胞研究には、国民のみなさまから多大なご支援をいただいており、教職員一同、心から感謝申し上げます。
この日本発の画期的な技術に関する研究をさらに推進し、一日も早く医療応用を実現するためには、優秀な人材の確保、研究所の安定的な運営が必要です。みなさまのご支援をお願い申しあげます。
ご寄附のお申込みは、下記にご連絡を頂きますようお願い申しあげます。

問合せ先: 京都大学 iPS 細胞研究基金 事務局
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53
TEL:075-366-7152  FAX:075-366-7023
京都大学基金ホームページ http://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/
CiRAホームページ http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/fund.html
メール:ips-kikin@cira.kyoto-u.ac.jp

Editorial info

発行・編集

京都大学 iPS 細胞研究所
(CiRA)国際広報室
〒606-8507
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