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2013年12月20日

iPS細胞技術に関する基本特許1件が新たに日本で成立

 

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長の研究グループが世界で初めて樹立した人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell: iPS細胞)に関する特許について、京都大学が権利者となり特許出願を行っています。このたび、iPS細胞の基本技術に関する日本での特許(出願番号:特願2009-056749)が新たに1件成立しました。

山中伸弥教授のiPS細胞基本特許は、日本では既に5件成立しております。海外では、米国、欧州、香港、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、シンガポール、イスラエル、南アフリカおよびユーラシアで成立しています。

今回の日本で成立した特許請求の範囲は、従来のようにiPS細胞を作製するための遺伝子が特定されていないため、より広範なiPS細胞の作製方法が包含されることとなり、日本におけるiPS細胞に関するより強固な特許権を京都大学が保有したことになります。

京都大学は、iPS細胞の基本技術に関して、国際特許出願(国際出願番号PCT/JP2006/324881、国際公開番号WO2007/69666、国際出願日2006年12月6日)から日本へ移行手続き(特願2007-550210、親出願)をしており、この親出願から6件の分割出願を行っております。今回、その中の1つの特許出願(特願2009-056749)に対して、平成25年11月12日付けで特許すべき旨の審決の通知を受けて、12月11日付で登録料を納付しました。この登録料納付日より1から2週間程度で日本国特許庁において特許登録となります。

京都大学は、一日も早いiPS細胞の医療応用を実現することを目指して、これからもiPS細胞技術の普及や研究の推進に努めてまいります。

【日本で成立した特許の概要】

  1. 出願番号:特願2009-056749
  2. 特許の成立の経緯:
    2009年 3月10日 分割出願
    2009年11月4日 拒絶査定
    2010年 2月4日 拒絶査定不服審判請求
    2010年 8月13日 拒絶理由通知
    2013年10月10日 手続補正による特許請求の範囲の補正
    2013年11月12日 査定を取り消し、特許すべき発明である旨の審決通知
    2013年12月11日 登録料納付
  3. 特許請求の範囲:
    以下の(1)〜(3)の工程を含む、誘導多能性幹細胞の製造方法:
    1. ES細胞で特異的な発現または高発現を示す遺伝子、WntシグナルまたはLIFシグナルにより活性化される因子をコードする遺伝子、ES細胞の分化多能性維持に必須の遺伝子、およびそれらのファミリー遺伝子から、体細胞へ導入することにより内在性のOct3/4遺伝子及びNanog遺伝子を発現させる遺伝子の組み合せを選択する工程、
    2. 工程(1)で選択された遺伝子の組み合わせを体細胞に導入する工程、および
    3. 工程(2)で得られた細胞を培養する工程。
  4. 特許の権利期間:2006年12月6日から2026年12月6日まで
  5. 補足
    出願概要:

権利範囲としては、①ES細胞で特異的な発現または高発現を示す遺伝子(例:Klf4、Lin28)、② WntシグナルまたはLIFシグナルにより活性化される因子をコードする遺伝子(例:β-catenin、STAT3)、および③ES細胞の分化多能性維持に必須の遺伝子(例: Oct3/4、Nanog)の3つのカテゴリーから適宜選択された遺伝子、またはそのファミリー遺伝子(類似構造を持つ遺伝子群)のうち体細胞に導入することで、多能性を示すマーカー遺伝子であるOct3/4遺伝子及びNanog遺伝子を発現させる遺伝子(数は問いません)を選択し、初期化因子として使用してiPS細胞を作製する行為に及びます。また、該当する方法によって製造されたiPS細胞自体にまで及びます。体細胞に遺伝子を導入するためのベクター(運び屋)の種類は問いません。①、②および③の候補遺伝子は、山中教授が最初に見出した24個の遺伝子の選択基準の概念と一致しております。

これまでに日本で成立していた5件の特許は、いずれも3つ(Oct3/4、Sox2およびKlf4)または4つ(Oct3/4、Sox2、Klf4およびc-Myc)の遺伝子、またはそのファミリー遺伝子といった限定された遺伝子を導入することが条件でした。今回は、iPS細胞を作製することが可能であると予想される候補遺伝子から適宜選択された遺伝子を導入することが条件となり、特に遺伝子の種類を限定されていないことから、より広範なiPS細胞を作製する方法を権利範囲に含むことになります。

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