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レポート

ノーベル・ウィーク報告

山中伸弥所長は、家族や iPS 細胞開発に大きく貢献した高橋和利講師らとともに、12 月10 日に行われたノーベル賞授賞式に参加しました。

山中所長とガードン卿のサイン

山中所長とガードン卿のサイン

12 月 4 日に関西国際空港を出発した山中所長らは、ヘルシンキ経由でストックホルム(スウェーデン)に到着しました。翌 5 日、山中所長は雪が降りしきるなか、家族らとともに博物館へ出かけたり、授賞式で着る燕尾服の試着のために紳士服店を訪れたり、リラックスして過ごしたようです。

6 日からはいよいよノーベル・ウィークと呼ばれる一週間が始まり、記念講演やテレビ番組の収録などの様々な公式行事が行われます。

氷点下の厳しい寒空に少し晴れ間も見えた午前中、山中伸弥所長はストックホルム旧市街のノーベルミュージアムへ向かい、2012 年のノーベル賞受賞者が集う懇談会に出席しました。 この懇談会では、受賞者がミュージアムに併設されているカフェの椅子の裏にサインすることが恒例となっています。山中所長は生理学・医学賞共同受賞者のジョン・ガードン卿と共に同じ椅子(写真)にサインしました。

賞状とメダルを授与された山中所長

賞状とメダルを授与された山中所長

記者会見で質問に応じるスリバス
タバ博士(左)とメーリー博士(右)

記者会見で質問に応じる
スリバスタバ博士(左)と
メーリー博士(右)

7 日の午前中には、山中所長は滞在先のグランドホテルの正面に見える王宮ベルナドッテ・ライブラリーで行われたノーベル・マインズという番組の収録に、ガードン卿ら 6 名のノーベル賞受賞者とともに参加しました。この番組はノーベル財団のウェブサイトで配信されています。

同日の夕方、カロリンスカ研究所ベルゼリウス図書館にて、ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演会が行われました。山中所長は、予想もしない結果に接した時に、がっかりせずに逆に楽しむと同時に、素晴らしい師に励まされながら研究を展開し、これらの「先生」と予想もしない結果を見せてくれた「自然」の両方が自分にとっての大切な「師」であると述べました。専門的な話が中心となったガードン卿と、若者を勇気づけるような語りの山中所長と対照的な講演内容となりました。

8 日の午前中には、授賞式に招待された高橋和利講師、ロバート・メーリー博士(グラッドストーン研究所・名誉所長/ 主任研究者)、ディーパック・スリバスタバ博士(グラッドストーン研究所心血管研究部門長/ 主任研究者)による記者会見がグランドホテルで開かれました。

高橋講師は、2000 年に山中所長が奈良先端科学技術大学院大学に研究室を構えた際の初めての学生の一人で、2006 年に米国科学雑誌『 Cell 』に発表したマウス iPS 細胞に関する論文の共著者でもあります。山中所長についての印象を尋ねられ、「12 年前からの付き合いなので、親しい存在すぎてそのすごさがわかりませんが、僕にとっては唯一無二の、最高の指導教官です。ただ、弟子が良い成果を出して初めて良い教官といえると思うので、頑張りたい」と答えました。

山中所長が 1990 年代にグラッドストーン研究所に研究員として留学していた時の所長であるメーリー博士は、科学者として成功するための秘訣として、 「 VW( Vision andWork hard )」を教えたと紹介し、実際、山中所長は留学中に時間を惜しんで、「科学者としてのキャリアを積むため、あらゆる機会をとらえ何でも学ぼうとしていた」と振り返りました。

スリバスタバ博士は、iPS 細胞を経ずに線維芽細胞から心筋細胞に直接分化させるダイレクト・リプログラミングに成功した研究者で、山中所長の同僚であり、友人でもあります。受賞決定後の深夜(サンフランシスコ時間)に山中所長から電話で受賞を知らせる連絡が入ったエピソードを明かし、山中所長が 10 回以上も骨折しながらスポーツをあきらめずに続けているような粘り強さや勇気が科学者としても生かされているのではと語りました。

10 日午後、ストックホルム・コンサートホールにおいて、オーケストラにより音楽が奏でられるなか、王族の方々や受賞者が舞台に登場し授賞式が始まりました。燕尾服の男性達と色とりどりのイブニング・ドレスを身にまとった女性達が、会場を埋め尽くしています。華やかな着物姿の山中所長の家族や高橋講師夫妻も会場で見守っていました。

授賞式後の山中所長と高橋講師

授賞式後の山中所長と高橋講師

ノーベル財団関係者の挨拶後、各賞の選考委員が受賞者とその業績を紹介し、一人ひとりにカール 16 世グスタフ国王から受賞者がメダルと賞状を受け取りました。文化勲章を身に着けた山中教授は、ガードン卿と共に紹介され、国王からノーベル生理学・医学賞の賞状とメダルを授与されました。その後、市庁舎で開催された晩餐会ではガードン卿が代表として受賞スピーチを行いました。

山中所長は、長時間にわたった授賞式と晩餐会など一連の行事は本当に楽しかったと述べ、「ノーベル賞はこれまでの研究に対するもの。これからの研究が大切なので、一生懸命やっていきたい」と抱負を語りました。

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New research

研究成果①

iPS 細胞から骨や軟骨、骨格筋の元となる
細胞の分化と分離に成功

櫻井英俊講師

櫻井英俊講師

櫻井英俊講師(臨床応用研究部門)の研究グループが、瀬原淳子教授(京都大学再生医科学研究所)らとの共同研究で、マウス iPS 細胞から、 沿軸中胚葉(注1)を効率よく分化誘導する方法を明らかにするとともに、ヒト iPS 細胞から沿軸中胚葉を分離することに世界で初めて成功し、米国科学雑誌『PLOS ONE』に発表しました(注2)。

これまでのニワトリやマウスの胚を用いた発生学研究から骨・軟骨・骨格筋は、沿軸中胚葉という細胞集団から分化することが知られています。 本研究では、先行するマウス ES 細胞で沿軸中胚葉分離の研究成果を発展させ、アクチビン A というタンパク質を用いることで、マウス iPS 細胞から沿軸中胚葉の細胞を効率よく分化誘導することに成功しました。 また、ヒト iPS 細胞では、沿軸中胚葉への分化はよく分かっていませんでしたが、二つのマーカータンパク質( PDGFRa とKDR )の発現を目印に沿軸中胚葉の細胞を分離できることが分かりました。 これらの細胞が骨・軟骨・骨格筋への分化する能力を持っていることも確認されました。この成果は、今後、骨・軟骨・骨格筋の発生についての知見を深めるとともに、これらの細胞を効率よく分化誘導する方法を開発するための第一歩として期待できます。

Glossary

注1 沿軸中胚葉
脊椎動物の個体発生の一時期に現れる細胞集団で、体を支持するような組織、筋肉や骨、軟骨、真皮などを生み出す。

注2
【論文名】
In vitro modeling of paraxial mesodermal progenitors derived from induced pluripotent stem cells
【著者】
Hidetoshi Sakurai, Yasuko Sakaguchi,Emi Shoji, Tokiko Nishino, Izumi Maki,Hiroshi Sakai, Kazunori Hanaoka, AkiraKakizuka, and Atsuko Sehara-Fujisawa

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New research

研究成果②

細胞の運命を制御する RNA スイッチ

齊藤博英准教授

齊藤博英准教授

齊藤博英准教授、樫田俊一さん(初期化機構研究部門)らの研究グループが、RNA - タンパク質複合体をコンピュータにより分子デザインすることで、細胞内の状態に応じて RNA 干渉 (RNAi)(注1)の効果を制御できる「 RNA スイッチ」を開発することに成功しました。 本研究成果は、英国科学雑誌「Nucleic AcidsResearch」に発表すると同時に、同雑誌の上位 5%の質に相当する Feature Article として取り上げられ、表紙を飾りました(注2)。

標的の遺伝子の働きを失わせる(ノックダウン)する技術として、RNAi はよく用いられています。しかし、細胞内環境に応じて、RNAi の機能を調節する技術の開発は、まだ成し遂げられていません。もしこのような技術が開発できれば、標的とする細胞にだけ RNAi を働かせるといった、新しい遺伝子操作技術へとつながります。

RNAi は、ショートヘアピン RNA( shRNA )が Dicer( RNA 切断酵素 )によって切断されることで誘導されます。 そこで、Dicer の shRNA への結合を、特定のタンパク質によって邪魔することで、RNAi の働きを制御できないかと、3D 分子モデルソフトで検討しました。

U1A( ヒト細胞中に存在するタンパク質 )が結合して、Dicer による切断を阻害するような shRNA スイッチを細胞内に導入したところ、実際に、細胞内でU1A の生産に応答して RNAi の働きを、抑制できることがわかりました。 また、種々のがん細胞で発現している転写因子(NFkB)でも同様の結果が得られました。

今後は、標的とする細胞の運命を細胞内状態に応じて制御する技術や、特定の細胞に分化した細胞だけを効率よく選別する技術へと発展させ、iPS 細胞から標的細胞への分化誘導法を新たに開発することを目指します。

Glossary

注1 RNA干渉( RNAi )
細胞内で形成される二本鎖 RNA により、任意の遺伝子の発現を抑制する手法であり、発見者であるアンドリュー・ファイアーとクレイグ・メローは RNAi 発見の功績より2006年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。 最近では、RNAiを医薬品に応用する研究が進んでいる。

注2
【論文名】
Three-dimensionally designed proteinresponsive RNA devices for cell signaling regulation
【著者】
Shunnichi Kashida, Tan Inoue, and Hirohide Saito

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New research

研究成果③

プラスミドを用いてヒト血液細胞から
効率よく iPS 細胞を作製

沖田圭介講師

沖田圭介講師

沖田圭介講師( 初期化機構研究部門) の研究グループは、末梢血や臍帯血の細胞にプラスミドベクターを用いて遺伝子を導入することで、効率よく iPS 細胞を作製する方法を開発し、米国科学雑誌『StemCells』(注)に発表しました。

これまで、主に皮膚から採取した線維芽細胞が iPS 細胞の作製に用いられていましたが、より簡便に採取できる血液細胞を用いた iPS 細胞の樹立方法の確立も求められていました。 血液細胞から iPS 細胞を作製する方法についていくつか報告がありましたが、プラスミドベクターを用いた方法では作製効率が悪いことが問題でした。

使用しているプラスミドベクターにはプラスミドを複製するためにEBNA1 遺伝子と OriP 配列が含まれています。 これが OCT 3/4 などの初期化遺伝子の長期的な発現につながっています。この機構に注目し、EBNA 1タンパク質の発現量を増やす工夫をしたところ、血液細胞からiPS 細胞を作製する効率が大きく上昇することを見出しました。

末梢血のT 細胞からのiPS 細胞作製効率の比較
3×105 細胞(およそ血液0.3 cc)当たりのiPS 細胞コ
ロニー数を示す。(A 〜E:20 〜60 代の男女)

末梢血のT 細胞からのiPS 細胞作製効率の比較
3×105 細胞(およそ血液0.3 cc)当たりの
iPS 細胞コ ロニー数を示す。
(A 〜E:20 〜60 代の男女)

この改良により、20 代から60 代の健常人より採取した末梢血のT細胞やCD34 陽性細胞、および臍帯血の CD34 陽性細胞から効率良くiPS 細胞を樹立することに成功しました。

沖田講師は「この研究によって、ヒト iPS 細胞の樹立が容易になり、疾患モデル解析や臨床応用へ向けた iPS 細胞樹立などの研究が加速することが期待されます。 少しでも早く新しい治療法が患者さんのもとに届けば嬉しいです。」とコメントしました。一方で、血液細胞から作製した iPS 細胞が、線維芽細胞から作製した iPS 細胞や ES 細胞と本質的に同等であるのかなど、今後さらに詳細な解析を進める必要があります。

Glossary


【論文名】
An Efficient Non-viral Method to Generate Integration-Free Human iPS Cells from Cord Blood and Peripheral Blood Cells
【著者】
Keisuke Okita, Tatsuya Yamakawa, Yasuko Matsumura, Yoshiko Sato, Naoki Amano, Akira Watanabe, Naoki Goshima, and Shinya Yamanaka.

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Events

クラスルーム・FIRST サイエンスフォーラム

高校生向け実験教室「iCeMS/CiRA クラスルーム2012:
幹細胞研究やってみよう!まずは観察から」を
開催しました

CiRA と物質- 細胞統合システム拠点( iCeMS ) が共同して開催する高校生向けの実験教室を11 月18 日(日)に開催しました。 CiRA からは高橋和利研究室の大貫茉里研究員が講師として参加し、高校生に幹細胞研究を紹介しました。全部で3時間のプログラムで、1時間目はボードゲームを使って幹細胞から分化した細胞を作る研究を疑似体験し、 2時間目は顕微鏡を使って iPS 細胞や分化した細胞をじっくりと観察し、最後の1 時間には、iPS 細胞があらゆる細胞に分化できることを証明するためにはどうしたら良いのか議論しました。

午前と午後に開催しました。 合計で約 80 名の高校生が参加し、「たくさんの人と一つのテーマについて考えることができてよかった。」「iPS 細胞を実際に見ることができて貴重な経験ができました。」などの感想が出ていました。

すごろくゲームをする参加者 指導する大貫研究員 会場の様子

すごろくゲームをする参加者

指導する大貫研究員

会場の様子

サイエンスアゴラ・FIRST サイエンス
フォーラム3 に出展しました

11 月10 日(土)と11 日(日)の二日間、東京国際交流プラザ平成にて「FIRST サイエンスフォーラム3〜未来のトップ科学者は君だ!〜」が開催されました。 このフォーラムは毎回FIRST プログラムの支援を受けている研究者2、3 名が登壇し、研究内容を紹介するとともに参加者と語り合うイベントです。 CiRA ブースでは簡単な研究内容紹介と刊行物の配布を行ったところ、100 名を超える方が立ち寄ってくださりました。
ご来場いただきありがとうございました。

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CiRA Members

CiRA で働く人々

新しい人との交流を促すマラソン部長

夢を叶えるための訓練の一つとしてはじめたマラソン部。

伊藤朋美さん(中央右側)と

伊藤朋美さん(中央右側)と
マラソン部のメンバー

CiRA に就職した理由を尋ねると「山中先生がいたから」と答えたテクニカルスタッフの伊藤朋美さん。 大学生の頃に山中伸弥所長の講演を聞いて、人柄に惹かれたんだとか。 しばらくは他の場所で仕事をしていたものの、山中研究室での仕事に憧れ、3 年ほど前に CiRA で働き始めました。

主に細胞を培養して実験に使う仕事をしている伊藤さんは、FiT(Facility for iPS Cell Therapy) と呼ばれる細胞調製施設で働いています。 FiT は人の体に移植することができる、高品質のiPS 細胞を調製する施設です。 テクニカルスタッフとして伊藤さんはこの場所で細胞を評価する役割を担っています。

そんな伊藤さんには CiRA の中でもう一つ大切な顔があります 。それはマラソン部の部長という顔です。 CiRA にやってきて、山中所長をはじめさまざまな方々から良い刺激を受け、ある目標を持った彼女はその訓練のためにもマラソン部を立ち上げました。 当時マラソンなどしたことはなかったそうですが、山中所長がマラソンをしていたことと、みんなで同じ目標を持つにはスポーツが適していると思ったことから、思い切ってマラソン部を立ち上げました。

マラソン部発足からおよそ 1 年。所内のメールマガジンや人づての紹介などで、今では CiRA のみならず、周りの研究所の人達も参加して、メンバーは 30 人を超えました。週に一回、部員が集まって鴨川沿いを走り、終わった後には一緒に夕食をとったりすることもあるそうです。様々なグループのメンバーが参加しており、研究グループの垣根を超えた交流ができて楽しいという声が多く聞かれています。走りながら研究の話をするメンバーもいて、所内の交流だけではなく研究推進にも一役買っている様子。伊藤さんは部長として、この良い雰囲気を上手く作り出しているようです。

「いろんな人が交流できて、そこに来ると良いエネルギーを貰えるようなカフェを開きたい」と夢を語った伊藤さん。 彼女にとってマラソン部はカフェという夢を叶えるためのトレーニングの場でもあります。

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CiRA news update

CiRAアップデート

12/10

ノーベル賞授賞式が行われ、山中伸弥所長はジョン・ガードン博士と共に生理学・医学賞を受賞しました。(2 - 4 ページ)

12/1

第12 回CiRA カフェ・FIRST を開催しました。ギターとフルートの演奏、「iPS 細胞すごろく」でくつろいだ後、堀田秋津助教(初期化機構研究部門)の「iPS 細胞がひらく遺伝子治療の可能性」についての話を聞きました。

iPS 細胞すごろく

iPS 細胞すごろく

11/29

沖田圭介講師(初期化機構研究部門)らの論文が米国科学雑誌 Stem Cells オンライン版に掲載されました。(7 ページ

11/25

戸口田淳也副所長が大阪マラソン2012 に出場し、3 月11 日に行われた京都マラソンでの記録を上回るタイムで完走しました。

11/18

高校生向け実験教室「iCeMS/CiRA クラスルーム2012:幹細胞研究をやってみよう!まずは観察から」を開催しました。(8 ページ

11/10 − 11

「FIRST サイエンスフォーラム3 〜未来のトップ科学者は君だ!〜」にブース出展し、研究活動を紹介しました。(8 ページ)

11/3

文化勲章の親授式が皇居で行われ、天皇陛下から山中所長に永遠を表す橘をあしらった勲章が授与されました。

10/24

櫻井英俊講師(臨床応用研究部門)らの論文が米国科学雑誌 PLOSONE に掲載されました。(5 ページ)

10/20 − 21

高須直子知財管理室長が第17回三河湾チャリティ100 キロ歩け歩け大会にさい帯血国際患者支援の会の方々とともに参加し、完歩しました。

10/18

齊藤博英准教授(初期化機構研究部門)らの論文が英国科学雑誌 Nucleic Acids ResearchFeature Article として掲載されました。(6ページ)

10/10

高橋和利講師が iPS 細胞の開発に核心的な貢献を果たしたことが評価され、ニューヨーク幹細胞財団によるNYSCF ロバートソン賞を受賞しました。

10/8

山中所長とガードン博士にノーベル生理学・医学賞が贈られることが発表されました。

10/6

第11 回CiRA カフェ・FIRST を開催しました。参加者の多くは中高生で、手品を楽しんだ後、高橋講師の「僕が夢中になれたもの」と題する話を聞きました。

大きなトランプでマジックを披露するマジシャン尾嶋さん

大きなトランプでマジックを
披露するマジシャン尾嶋さん

9/24

CiRA は、『高頻度HLA ホモ接合体ドナー由来の医療用iPS 細胞ストック構築に関する研究』という課題名で、京都大学医学研究科医学部附属病院『医の倫理委員会』に 研究計画書を申請し、承認されました。(11 ページ

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CiRA Q&A

iPS細胞 なんでも Q & A

再生医療用iPS細胞ストックとは何ですか?

HLAホモ接合体の細胞を持つ健 康なボランティア(HLAホモドナー)の方の血液や皮膚などから、iPS細胞研究所(CiRA)内に設置されている細胞調製施設(FiT:Facility for iPS Cell Therapy)においてiPS細胞を作製し、保存する計画のことです。保存、即ち予めストックすることにより、品質の良いiPS細胞を国内外の医療機関や研究機関に迅速に提供することができます。

HLAって何ですか?

ヒトの主要組織適合遺伝子複合体であるヒト白血球 型 抗 原(Human Leukocyte Antigen)の略で、細胞にとっての血液型のようなものです。HLAは、白血 球だけでなく、ほぼすべての細胞と体液に分布していて、ヒトの免疫に関わる重要な分子として働いています。自身の持っている型と異なるHLA型の人から細胞や臓器の移植を受けると、体が『異物』と認識し、免疫拒絶反応が起こります。そのため、細胞や臓器を移植する際にはHLA型をできるだけ合わせることで、免疫拒絶反応を弱めることが重要です。

いつ頃からiPS細胞ストックを治療に用いることができるようになるのですか?

5年以内に、このiPS細胞ストックを使用した臨床研究または臨床試験を開始することを目標としています。そこから、治療法として確立するには、移植しても安全であることや、治療 に有効であることを文書にまとめて 、国へ申請する必要があり、認められるまでに、数年はかかります。ですので、医療機関などで治療に用いられるには、現状からは、おおよそ10年はかかると予想されます。

その他詳細については京都大学病院臨床開発部のウェブページをご覧ください。
http://ips.kuhp.kyoto-u.ac.jp/qa/index.html#ips

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From CiRA

iPS 細胞研究基金

京都大学基金リニューアル

iPS 細胞研究には、国民のみなさまから多大なご支援をいただいており、教職員一同、心から感謝申し上げます。
この日本発の画期的な技術に関する研究をさらに推進し、一日も早く医療応用を実現するためには、優秀な人材の確保、研究所の安定的な運営が必要です。みなさまのご支援をお願い申しあげます。
ご寄附のお申込みは、下記にご連絡を頂きますようお願い申しあげます。

問合せ先: 京都大学 iPS 細胞研究基金 事務局
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53
TEL:075-366-7152  FAX:075-366-7023
京都大学基金ホームページ http://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/
CiRAホームページ http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/about/fund.html
メール:ips-kikin@cira.kyoto-u.ac.jp

Editorial info

発行・編集

京都大学 iPS 細胞研究所
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