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2013年9月12日

第16回CiRAカフェ・FIRSTを開催しました

第16回CiRAカフェ・FIRST「細胞のおしゃべりに耳をすませば...」が、9月7日(土)、iPS細胞研究所(CiRA)のエントランスホールにて開催されました。雨が降ったりやんだりのあいにくの天気の中、33名の方が参加しました。

今回の講師は増殖分化機構研究部門池谷真准教授です。コーヒーや紅茶などの飲み物や、マフィンなどの洋菓子を楽しみながらのリラックスした雰囲気の中、なぜ細胞間のコミュニケーションに注目してiPS細胞研究を進めているのかを語りました。

カフェの始まりは、ボーカル、笛(ティン・ホイッスル)、ピアノの三人組「Miracle of Being」による音楽演奏です。オリジナル曲やヨーロッパの伝統音楽の演奏に会場はゆったりとした雰囲気となりました。

Miracle of Beingの演奏

続いて、池谷准教授によるレクチャーが始まりました。たったひとつの受精卵から始まり、分裂・増殖しながら細胞が分化し、私たちの体が形づくられていくためのしくみのひとつが、細胞と細胞の会話(細胞間コミュニケーション)です。

細胞には情報を伝える「声」の役割をもったシグナル分子と情報を受け取り細胞内に伝える「耳」の役割をもった受容体があり、これらを活用して細胞間コミュニケーションが成り立っていることを紹介しました。

また、細胞は受精卵からひとっとびに神経や骨などの細胞に分化するのではなく、骨の細胞を例にすれば、受精卵はまず中胚葉、次に骨軟骨前駆細胞、最終的に骨細胞へと段階を経る必要があります。多様な細胞へと分化する能力をもったiPS細胞も、受精卵同様に段階を経ながら、目的の細胞へと分化させて研究に用いられています。 池谷准教授は、iPS細胞技術を用いて、細胞同士のコミュニケーションがうまくいかない場合に、起きる病気のひとつである骨軟骨疾患について取り組んでいることを紹介しました。

会場からの質問に答える池谷講師

レクチャー後には、「iPS細胞を経ずに目的の細胞へ分化させる方法はないのか?」などの質問に対して、「ダイレクトリプログラミングといって、皮膚の細胞から直接神経細胞をつくるような試みもありますが、iPS細胞の様に大量に増やせないという欠点もあります。」などと、ひとつひとつの質問に対し、池谷准教授は丁寧に答えていました。活発な質疑応答は終了時間を過ぎるまで続き、名残惜しい雰囲気で今回のCiRAカフェは終了しました。

CiRAカフェは今後も定期的に開催します。次回は10月5日(土)開催予定です。その他のイベントの開催予定日は「イベントカレンダー」をご覧ください。皆様のご参加をお待ちしております。

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