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研究成果 
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2011年12月27日

江藤浩之教授らのグループから論文が2報発表されました

【新しい生体内血栓モデルの開発と発症機構に関する論文がBloodに掲載】
江藤浩之教授(CiRA臨床応用研究部門)の研究グループは、西村智特任准教授(東京大学大学院医学研究科)らとの共同研究で、in vivoイメージング注1)手法を用いた新しい生体内血栓モデルを開発し、その発症機構を明らかにしました。本論文は11月16日、米国科学雑誌「Blood」にオンライン掲載されました。

この成果は、ヒトiPS細胞注2)から作製する血小板の生体内での機能を1つの細胞レベルで詳細に検証するためのシステムとして、臨床応用を展開する上で必須の評価系に繋がります。

本研究では、遺伝子操作マウスモデルを用いて、活性酸素注3)や炎症性サイトカイン注4)によって引き起される血栓の分子機構を明らかにしました。

本研究は、東京大学大学院医学研究科、東京大学附属病院循環器内科、カリフォルニア大学、東京大学医科学研究所との連携のもと、文部科学省再生医療の実現化プロジェクトの一環として行われました。

論文名
In vivo imaging visualizes discoid platelet aggregations without endothelium disruption and implicates contribution of inflammatory cytokine and integrin signaling

著者
Satoshi Nishimura, Ichiro Manabe, Mika Nagasaki, Shigeru Kakuta, Yoichiro Iwakura, Naoya Takayama, Jun Ooehara, Makoto Otsu, Akihide Kamiya, Brian Petrich, Tetsumei Urano, Takafumi Kadono, Shinichi Sato, Atsu Aiba, Hiroshi Yamashita, Seiryo Sugiura, Takashi Kadowaki Hiromitsu Nakauchi Koji Eto and Ryozo Nagai

雑誌名
Blood(http://bloodjournal.hematologylibrary.org/content/early/2011/11/16/blood-2011-09-381400.short?rss=1

 【マウス造血幹細胞の未分化性と多分化能についての新規メカニズム論文がBloodに掲載】
江藤浩之教授(CiRA臨床応用研究部門)の研究グループは、梅本晃正特任助教、大和雅之教授(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所)らと共同研究で、マウス造血幹細胞がその未分化性と多分化能を維持するための新しいメカニズムを明らかにしました。本論文は11月16日、米国科学雑誌「Blood」にオンライン掲載されました。

本研究では、造血幹細胞が未分化性と多分化能という高い能力を維持するために、細胞接着機構を活用し、特にインテグリンと呼ばれる接着受容体注5を介したメカニズムがある事をマウスモデルによって証明しました。

この成果は、ヒトiPS細胞から造血幹細胞を作製し、維持するための生体外での培養環境整備のための研究に繋がるため、今後の更なる研究の進展が期待されます。

本研究は、東京女子医科大学、カリフォルニア大学、東邦大学理学部、大阪大学附属病院、東京大学医科学研究所との連携の元行われました。

論文名
Integrin αvβ3 regulates thrombopoietin-mediated maintenance of hematopoietic stem cells

著者
Terumasa Umemoto Masayuki Yamato, Jun Ishihara, Yoshiko Shiratsuchi, Mika Utsumi, Yohei Morita, Hiroko Tsukui, Masao Terasawa, Takehiko Shibata, Kohji Nishida, Yoshiro Kobayashi, Brian G. Petrich, Hiromitsu Nakauchi, Koji Eto, and Teruo Okano

雑誌名
Blood (http://bloodjournal.hematologylibrary.org/content/early/2011/11/16/blood-2011-02-335430.short?rss=1

注1: in vivo イメージング
生体内の現象を生きたまま可視化する技術のこと。in vivoとは、「生体内で」という意味のラテン語である。本研究では、マウスの生体内で血栓が形成される様子を顕微鏡で観察しています。

注2:iPS細胞
人工多能性幹細胞(iPS細胞:induced pluripotent stem cell)のこと。皮膚などの体細胞に特定因子を導入することにより作製する。胚性幹細胞(ES細胞)のように無限に増え続ける能力と体のあらゆる組織細胞に分化する能力を有する多能性幹細胞である。2006年にはマウスで、2007年にはヒトで、iPS細胞樹立が報告された。

注3: 活性酸素
反応性の高い化合物に変化した酸素分子のこと。他の物質を酸化する能力が高く、細胞を傷つけたりその働きを狂わせてしまう。がんや動脈硬化など、さまざまな病気の引き金になっていると言われている。

注4:炎症性サイトカイン
生体内でさまざまな炎症反応を引き起こすタンパク質のこと。

注5:接着受容体
細胞の表面に存在し、細胞どうしや細胞と外部の基質との接着に関わると同時に、受容体として細胞内へ信号を伝えるタンパク質のこと。

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