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2016年5月9日

絶滅危惧種キタシロサイの保護方法について検討した論文の掲載

 キタシロサイは絶滅危惧種に指定されており、地球上にわずか3頭のみが確認されています。iPS細胞を始めとした幹細胞技術と生殖補助技術を組み合わせることによって、キタシロサイの絶滅を回避できる可能性があります。2015年12月に、米国、ドイツ、日本、オーストリアなど各国の研究者がウィーンに集まり、考えうる道筋について検討が行われ、このほど、CiRA未来生命科学開拓部門の沖田圭介講師を含む国際的な研究者グループがキタシロサイの種の保護に関する論文を発表しました。

 シロサイには、キタシロサイとミナミシロサイという2つの(亜)種があります。キタシロサイはアフリカ中央部に生息していますが、密猟や内戦の中で数を減らしてきました。動物園での保護と繁殖の試みも行なわれましたが、大きな成果は上がらず、現在では、わずか3頭のキタシロサイ− Sudan (オス、42歳)、Najin (メス、26歳)、Fatu (メス、15歳) - がケニアの保護区で飼育されています。加齢や病気のため自然繁殖の可能性は低く、絶滅の危機に瀕しているのです。

 近年、マウスやヒトのiPS細胞から生殖系細胞の誘導が報告されました。こうした幹細胞技術や生殖補助技術を応用することで、絶滅危惧種を救えるのではないかと考え、各国の研究者が一堂に会してその可能性について検討しました。生殖細胞をどのように作るか、品質の検査をどのように行なうか、その後の出産方法など各段階において多様な議論がなされました。一案として、米国サンディエゴ動物園に保存されているキタシロサイの細胞からiPS細胞を経て生殖細胞を作製する方法が挙げられています。検討された多くの技術は、キタシロサイでは実績が無く、今後の研究開発が必須です。

 本論文ではキタシロサイの種の保護に向けた行程表を作成しました。同様の考え方は、他の絶滅危惧動物の保護にも応用ができると考えられます。

 この論文は、2016年5月3日正午(米国東部時間)に「Zoo Biology」に掲載されました。

  1. 論文名:Rewinding the Process of Mammalian Extinction
  2. ジャーナル名: Zoo Biology
  3. 著者名:Joseph Saragusty, Sebastian Diecke, Micha Drukker, Barbara Durrant, Inbar Friedrich Ben-Nun, Cesare Galli, Frank Goritz, Katsuhiko Hayashi, Robert Hermes, Susanne Holtze, Stacey Johnson, Giovanna Lazzari, Pasqualino Loi, Jeanne F. Loring, Keisuke Okita, Marilyn B. Renfree, Steven Seet, Thomas Voracek, Jan Stejskal, Oliver A. Ryder, and Thomas B. Hildebrandt

注)トップページの写真は、愛知県豊橋市ののんほいパークで飼育されている、南アフリカ共和国出身のシロサイ。キタシロサイではない。

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