2013年6月14日
第11回国際幹細胞学会(ISSCR)レポート3
ISSCR三日目の朝は雨のボストンでした。幸い午後にはすっかり晴れ、昨日と比べると暖かい一日となりました。
朝の8時からはプレスセッションが行われ、5人の研究者が報道関係者の質問に答えました。CiRAからはモデレーターとして山中所長が、パネリストとして井上准教授が参加しました。参加した報道関係者から様々な質問があり、それぞ適当な研究者が答えていました。iPS細胞を経ずに皮膚の細胞から神経の細胞へと直接変換するダイレクトリプログラミングの手法を開発したMarius Wernig博士は「iPS細胞を一旦経る手法では品質の良い細胞を大量に増やすことが出来る一方で時間がかかり、直接変換する手法では短時間で変換できるものの、高品質の細胞を大量に得ることが難しいため、それぞれ目的に応じて使い分ける必要がある」と解説しました。
記者からの質問に答える研究者。左から井上治久、Marius Wernig、
山中伸弥、Charles Murry、Shoulhrat Mitalipov (敬称略)
CiRAブースには多くの人が訪れ、iPS細胞ストックプロジェクトやiPS細胞を使うために必要な手続き(特許など)、博士研究員の募集について質問をしていました。海外の方はまだまだCiRAという名前を充分に認知しておらず、「山中博士の研究所」という認識の方が多かったようです。また知っていてもCiRAのことを「サイラ」ではなく「シーラ」と発音される方が多く、まだまだ研究所をアピールする余地がありそうです。
この日も夕方18時からポスターセッションが行われ、CiRAメンバーの多くが発表を行いました。また少し変わったイベントとしては、ある企業が主催する20時から行われるディナーを食べながら討論をするイベントに、CiRAの渡辺亮助教がゲストとして招かれ、発表を行いました。