REPORT活動報告
Events
一般の方向けシンポジウムを開催しました
2022年11月26日(土)に、京都大学iPS細胞研究財団と共催で一般の方対象シンポジウム「iPS細胞にできること~ともにつくる医療の未来~」を開催しました。CiRAからは髙橋淳所長、iPS財団からは山中伸弥理事長が登壇し、iPS細胞研究を医療応用する上で、CiRA及びiPS財団の果たす役割について話しました。トークセッションでは、ヤン・プレテマー大学院生(CiRA濵﨑研)がモデレーターをつとめ、CiRAの濵﨑洋子副所長やiPS財団の高須直子理事も加わり、参加者からいただいた質問に答えました。

CiRAツアーを開催しました
2022年10月31日(月)にオンラインCiRAツアーを開催しYouTube配信しました。今回は、iPS創薬研究をサポートしている創薬技術開発室を紹介しました。創薬技術開発室長の戸口田淳也教授が創薬研究について説明した後、同室の布施広光研究員が、実験室にある「自動細胞培養装置」について説明しました。当日はライブ配信・オンデマンド配信合わせて、約650名の方にご視聴いただきました。

自動細胞培養装置について説明をする布施研究員
Research
iPS細胞とオルガノイド技術を用いた新型コロナが感染する仕組みの解明
CiRAの高山和雄講師らの研究グループは、iPS細胞やオルガノイド技術を用いて、新型コロナウイルスが私たちの細胞に感染する仕組みを研究し、体の細胞が持つEXOC2というタンパク質が重要であることを見出しました。新型コロナウイルス感染症の新規治療法開拓につながることが期待されます。

EXOC2(赤)が少なくなると新型コロナウイルス感染(緑)も少なくなる
肺胞オルガノイドを作ることができるヒトiPS細胞由来間葉細胞の作製
呼吸に重要な働きをする肺胞を作るためには、間葉細胞の働きが欠かせません。CiRAの後藤慎平教授らの研究グループは、iPS細胞から肺胞オルガノイドを誘導できる間葉細胞を作製することに成功しました。肺の発生や再生医療の研究、呼吸器疾患モデルとして様々な疾患の仕組みを調べるために使われることが期待されます。

iPS細胞由来の肺前駆細胞と間葉細胞から作製した肺胞オルガノイドの顕微鏡画像
iPS細胞から作製したT細胞のがん抑制効果を高める手法の開発
がん免疫療法のひとつに、がんを認識する能力を人工的に持たせた免疫細胞(CAR-T細胞)用いる方法があります。CiRAの金子新教授らの研究グループは、マウスの固形がんモデルにおいて抗腫瘍効果を発揮するCAR-T細胞をiPS細胞から作製する方法を開発しました。高機能なCAR-T細胞を作製できるようになったことにより、今までは難しいとされてきた固形がん治療に応用できる可能性があります。
京都大学iPS 細胞研究所(CiRA) 国際広報室
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CiRA 上廣倫理研究部門
CiRA 基金室
編集/森旭彦(mojimoji LLC)
執筆/森旭彦・寒竹泉美
(理系ライターズ チーム・パスカル)