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所長挨拶
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所長挨拶

京都大学 iPS細胞研究所
所長 山中 伸弥

京都大学 iPS細胞研究所
所長 山中 伸弥

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)では、2010年の開所以来、「iPS細胞の臨床応用」という使命を念頭に研究活動を行ってまいりました。2017年2月に竣工した第3研究棟でも研究活動が本格化し、2030年までの達成を目指す4つの長期目標に向けた取り組みをより一層強化しています。


CiRA 2030年までの目標
CiRA 2030年までの目標
1. iPS細胞ストックを柱とした
再生医療の普及
2. iPS細胞による
個別化医薬の実現と難病の創薬
3. iPS細胞を利用した
新たな生命科学と医療の開拓
4. 日本最高レベルの
研究支援体制と研究環境の整備

CiRAでは、将来の再生医療において、品質の保証されたiPS細胞を迅速に提供することができるよう、2013年から再生医療用iPS細胞ストックを作製するプロジェクトを進めており、2015年8月から研究機関や企業にiPS細胞ストックの提供を行っています。このストックを用いて、加齢黄斑変性の患者さんを対象とする臨床研究が実施されています。2018年1月には、第3研究棟内にある臨床用細胞調製施設が厚生労働省より細胞培養加工施設としての許可を取得しました。今後も、iPS細胞を用いた再生医療の普及を目指し、より充実した体制で、高品質の再生医療用iPS細胞の製造・出荷を行ってまいります。

創薬研究については、進行性骨化性線維異形成症(FOP)の研究において薬の候補となる有効な化合物がみつかり、2017年9月から京都大学医学部附属病院で医師主導治験を実施しています。また、武田薬品工業株式会社との大型共同研究T-CiRA共同プログラムでは、難病をはじめ、いくつかの疾患に対する新薬開発を目指した研究を進めております。

基礎研究においては、iPS細胞をツールとして新たな生命科学の分野を切り拓く研究を行っています。2017年度には、高品質なES細胞を高効率で作製する方法について、新たな知見が得られました。

大変残念なことに、2018年1月には、京都大学研究公正調査委員会により、2017年2月に発表された論文において、CiRAの教員1名がデータの改ざんやねつ造を行っていたことが認定されました。このような論文不正を防ぐことができなかったことに、所長として大きな責任を感じています。事態を重く受け止め、再発防止のための取り組みを一層強化していく所存です。

今後も、iPS細胞技術を用いて、一日でも早く患者さんに新たな治療法を提供するために、研究活動に邁進してまいります。

-2018年4月

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