研究内容

私たちの研究室では、iPS細胞を題材として主に3つのテーマで研究を進めています。

初期化機構の解明

iPS細胞がなぜできるのか? その全貌はまだ明らかになっていません。私たちの研究室ではiPS細胞の樹立効率に変化をもたらす遺伝子の探索を通し、このメカニズムに迫っています。これまでに2000を越える遺伝子を探索し、その中から興味深い遺伝子について詳細な解析を進めています。

細胞の成り立ちに迫る

iPS細胞の樹立は、あらためて細胞の運命決定が少数の転写因子によって担われていることを示しました。また、人為的に細胞の性質を操作できることを明らかにしました。iPS細胞の技術や知見を応用して、細胞が細胞たる、その根本部分へのアプローチに挑んでいます。

再生医療への応用

iPS細胞の応用方法のひとつに細胞移植治療があります。これは、健常人より作製したiPS細胞から神経細胞や筋肉細胞といった分化細胞を作り出し、細胞製剤として患者に移植する方法です。私たちはCiRAが進めているiPS細胞ストック事業の一環として、細胞移植に適する高品質のiPS細胞を作製するために、これまで研究室で培ってきた一つひとつの培養操作を確認しながら、再現性の高いプロトコールを作成しました。また作製したiPS細胞の品質を確認するための検査方法についても検討しています。2015年8月には再生医療に使用可能なiPS細胞の提供が始まっています。