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2010年10月25日

CiRAとセレクティス社が提携

 フランスのゲノム工学企業であるセレクティス社(Alternext上場: ALCLS)と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、このほど共同研究を行うために提携しましたのでお知らせします。

 両者は、セレクティス社のゲノム工学技術とCiRAの人工多能性幹細胞(iPS細胞注1)技術を組み合わせることにより、iPS細胞の性質を制御し、研究ツールとしてより有効に利用できるようにすることを目指します。

 CiRAとセレクティス社は、iPS細胞技術にセレクティス社のゲノム改変技術を組み合わせることで、iPS細胞のゲノムDNAを任意に改変する研究を計画しています。

 「今回の協力は、セレクティス社とエクティセル社(iPS細胞の産業応用化を研究する子会社)とともに開発したアプローチを後押しするものです。この提携により両者の細胞工学的アプローチを相互に補完する事が可能となり、幹細胞分野に重要な技術開発の可能性を、最大限に引き出すことができるでしょう。」と、セレクティス社経営企画部門の取締役副社長のデイビッド・ソルジブ氏は述べています。

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)について
山中伸弥教授らのグループが2007年11月にヒトiPS細胞樹立を発表後、京都大学は、iPS細胞研究を推進するために、物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)の一部として、平成20年(2008年)1月にiPS細胞研究センター(CiRA)を設立しました。CiRAはiPS細胞研究に特化した世界初の研究機関で、iPS細胞を用いた医療応用を一日も早く実現するために、2010年4月1日よりiPS細胞研究所に改組されました。世界で初めてiPS細胞を樹立した山中伸弥教授(物質-細胞統合システム拠点兼務)が所長を務めています。

URL: http://www.cira.kyoto-u.ac.jp
セレクティス社について
セレクティス社はゲノム工学分野の草分けで、革新的ツールであるメガヌクレアーゼ注2技術を開発し販売しています。メガヌクレアーゼは、分子のハサミとして機能し、研究、バイオ産業、農業バイオテクノロジーおよび治療分野で応用され、標的とするDNA操作を可能にします。現在まで、同社は20を超える学術機関と研究協力し、世界で50以上の医薬品研究所、種子生産企業、生命工学企業等と提携しています。また、260以上の特許(出願中を含む)を保有しています。2007年にパリのNYSEユーロネクストのオールタネクスト市場に上場し、以来、7千万ユーロ超の資金を確保しています。
URL: http://www.cellectis.com

注1) iPS細胞
iPS細胞は、皮膚細胞などの体細胞に遺伝子などを導入し、細胞核を初期化することにより作製さる。胚性幹細胞(ES細胞)のように無限に増え続ける増殖能と体のあらゆる組織細胞に分化する分化能を有する。山中教授らの研究グループは、2006年にこの画期的な技術の発見を発表し、科学界に様々な細胞を無限に作り出すことのできるツールをもたらした。iPS細胞は、受精卵を利用して作られるES細胞と違い、倫理的問題を回避できる。

注2) メガヌクレアーゼ
制限酵素の一つ。生きた細胞でゲノム中の特定の場所を切断するために用いられる。

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