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2017年4月18日

2種類目となる「末梢血由来のiPS細胞ストック」の提供開始について

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、再生医療実現拠点ネットワークプログラムの一環として、2013年度より再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトを本格的に進めております。2015年8月に提供を開始した末梢血から作製したiPS細胞ストックに続き、本年4月18日(火)に、2種類目となる末梢血から作製したiPS細胞ストックの提供を開始しましたのでお知らせします。

 再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトは、HLAホモ接合体(注)の細胞を有する健康なドナーからiPS細胞を作製し、あらかじめ様々な品質評価を行った上で、再生医療に使用可能と判断できるiPS細胞株を保存するプロジェクトです。iPS細胞株は、CiRA内の細胞調製施設 FiT(Facility for iPS Cell Therapy)で作製しています。

 今回提供を開始した末梢血由来のiPS細胞株は、日本人において2番目に高頻度にみられるHLA型(A*33:03-B*44:03-DRB1*13:02)の細胞から作製しました。このiPS細胞ストックと既に提供を行っているiPS細胞ストックとあわせて、日本人の約24パーセントをカバーできると考えられます。

 CiRAでは引き続き日本人で頻度の高いHLAホモ接合体を有するドナーの皆様より御協力をいただきながら、第一段階として2017年度末までに日本人の3~5割程度をカバーできる再生医療用iPS細胞ストックの構築を目指し、iPS細胞の製造に取り組んで参ります。

<用語説明>
注)HLAホモ接合体
 HLAは、ヒトの主要組織適合遺伝子複合体であるヒト白血球型抗原(Human Leukocyte Antigen)の略で、細胞の自他を区別する型。HLAは、白血球だけでなく、ほぼ全ての細胞に分布していて、ヒトの免疫に関わる重要な分子として働いています。自身の持っている型と異なるHLA型の人から細胞や臓器の移植を受けると、体が「異物」と認識し、免疫拒絶反応が起こります。そのため、細胞や臓器を移植する際にはHLA型をできるだけ合わせることで、免疫拒絶反応を弱めることが重要です。

 HLAの型は非常に多様で、A座、B座、C座、DR座、DQ座、DP座などと呼ばれる抗原(タンパク質)の組み合わせで構成されており、各抗原に数十種類の型があるため、あわせて数万通りの組み合わせがあると言われています。そのため、自分と完全に一致するHLA型の人を見つけるのは、数百~数万人に1人の確率といわれます。

 父親と母親から同じHLA型を受け継いだ場合、「HLAホモ接合体」と言います。例えばA座について、A1、A2、A3...と数十種類の型がありますが、両親それぞれから2つの同じ型を受け継いだA1A1、A2A2、A3A3のような場合を「HLAホモ接合体」と言い、細胞移植においては、A1A1であればA1A2の人やA1A3の人に移植しても拒絶反応が起こりにくいと考えられます。

<本研究への支援>
 本研究は研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED)の事業「再生医療実現拠点ネットワークプログラム iPS細胞研究中核拠点」の委託研究の成果です。

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