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2010年12月17日

山中伸弥所長がマサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタルのWarren Triennial Prizeを受賞

マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタル(MGH)は、2011年Warren Triennial Prizeを山中伸弥教授(京都大学iPS細胞研究所長/グラッドストーン研究所上席研究者)とルドルフ・イエーニッシュ教授(ホワイトヘッド研究所/マサチューセッツ工科大学)に授与すると発表しました。授賞式は、MGH創立200周年記念行事の一環として、2011年10月に行われるシンポジウムで行われます。


山中教授は、体細胞をES(胚性幹)細胞に類似した多能性幹細胞に分化させる方法を発見しました。この新しい細胞がiPS(人工多能性幹)細胞です。山中教授らのグループは、4つの遺伝子をマウスの皮膚細胞に導入することによりiPS細胞作製に成功したと、2006年に発表しました。その後、iPS細胞が哺乳動物のどんな組織にも分化できることを確認し、腫瘍形成のリスクを軽減する作製方法を開発し、報告しています。


イエーニッシュ教授は、長く遺伝子発現制御の研究を行ってきました。2007年にiPS細胞からマウスを誕生させることに成功したと発表しました。山中教授らも同様な実験に成功し報告しています。イエーニッシュ教授は、さらに、iPS細胞技術を用いて鎌状赤血球病の動物モデルで遺伝的異常を治すことに成功しました。また、パーキンソン病の動物モデルの治療にiPS細胞を使用し、今年初めには、ヒトの血液からiPS細胞を作製したと報告しています。このように、イエーニッシュ教授は、iPS細胞技術の進展に貢献しています。


「ウォーレン賞は、MGHが授与する最高の科学賞であり、山中博士とイエーニッシュ博士の画期的な業績に対して敬意を表することに喜びを感じています。二人の研究によって医療の未来に新しい方向が開かれました。創立以来、MGHが果たしてきた科学におけるリーダーシップの記念にとりわけ相応しいことです」と、MGH研究に関する執行委員会委員長のダニエル・ハーバー博士(MGHがんセンター長)は述べました。


ウォーレン賞は、MGHの共同創設者であるジョン・コリンズ・ウォーレン博士にちなんで1871年に設けられました。この賞は、通常3年毎に医学関連分野に傑出した貢献をした科学者に贈られます。これまでに22人のウォーレン賞受賞者がノーベル賞を受賞しています。最近では、2004年にウォーレン賞を受賞したクレイグ・メロ博士とアンドリュー・ファイヤ博士が、2006 年にノーベル賞を受賞しています。2008年のウォーレン賞は、遺伝子活性制御におけるマイクロRNAが果たす役割発見の功績を称えて、ビクター・アンブロス博士とゲーリー・ルブキン博士に授与されました。


MGHは、1811年にハーバード大学医学部に設立された最大の附属病院です。年間の研究予算は6億ドルを超え、エイズ、心臓血管研究、がん、コンピュータ・統合生物学、皮膚生物学、人類遺伝学、医用イメージング、神経変性疾患、再生医療、システム生物学、移殖生物学、光医学などの研究センターを有しています。


マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタル(MGH) ホームページ

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