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2015年4月30日

iPS細胞研究基金の状況報告とご支援のお願い

 平素より、iPS細胞研究へのご理解・ご支援を賜り、誠にありがとうございます。

 2014年度は、iPS細胞研究基金からの支出が、基金の設置以来初めて1億円を超えました。その一方、多くの皆様から合計7億円を超えるご支援を頂戴しました。皆様からのあたたかいご支援に、心より感謝申し上げます。詳細な収支は後日アニュアルレポートやウェブサイトにてご報告いたします。

 今月、当研究所は武田薬品工業株式会社と共同研究契約を締結しました。iPS細胞研究所の教員が、同社の湘南研究所において研究チームを指揮し、新しい治療法の開発を目指す共同研究です。同社から10年にわたり合計で最大200億円の研究資金の提供が予定されています。iPS細胞の2大医療応用である再生医療と薬の開発のうち、再生医療は政府からの支援により順調に進捗していますが、今回の同社との共同研究により、薬の開発もよりいっそう加速させることが出来ると考えております。

 一方で、国や企業からの研究資金では、教職員を安定的に雇用することは出来ません。当研究所に在籍する約300名の教職員のうち約9割は有期雇用です(平成27年3月1日現在)。また若手研究者の教育、研究環境の改善、特許係争への備え、新しい医療の開拓を目指した萌芽的な研究なども、国や企業からの研究資金では十分に行うことが出来ません。皆様にご支援いただいておりますiPS細胞研究基金は、これら研究所の"土台"を作ることが目的で、研究開発の進展にともない、その重要性がよりいっそう増しております。支出の増加も見込まれる中、引き続き当研究所では、少なくとも年間5億円の基金を確保するべく、寄付募集活動に取り組んで参ります。

 所員一同、皆様のご期待に応え、1日も早く患者さんのもとに研究の成果を届けられるよう、努力していく所存でございます。今後ともご支援・ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


京都大学iPS細胞研究所長 山中伸弥


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