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2018年12月28日

論文の撤回について

 京都大学の山下潤教授が責任著者として、前所属部局において研究を実施し、2012年に発表した米国科学誌『Cell Stem Cell』掲載の論文1報(以下、CSC論文)が撤回されましたのでご報告いたします。2018年12月28日午前1時(日本時間)にRetraction Notice(撤回公告)がウェブサイトに掲載されました。

 京都大学は本年1月に、このCSC論文の筆頭著者が、別の論文で不正を行ったと認定しました。これを受け、山下教授は同著者による過去の論文について自主的に検証しました。今回撤回されたCSC論文の研究は、CiRAで実施されたものではありませんが、CiRA教員が自主検証に関して助言しました。

 自主検証の結果、CSC論文で使用した一部の細胞が、正しく保存されておらず、また、データや実験の記録が十分に残されていないことが確認されました。

 この自主検証結果を山下教授が当該科学誌の編集者に報告し、論文の撤回を含めた取り扱いの判断を求めたところ、「撤回が妥当」との回答を得ました。CSC論文の著者全員が撤回に同意し、当該科学誌が論文の撤回を決定しました。


対象論文について
タイトル:
Protein Kinase A Determines Timing of Early Differentiation through Epigenetic Regulation with G9a
雑誌名:Cell Stem Cell
掲載年:2012年6月14日(オンライン掲載)
掲載頁:Volume 10, Issue 6, Pages 759-770
著 者:
Kohei Yamamizu*, Mayako Fujihara, Makoto Tachibana, Shiori Katayama, Akiko Takahashi, Eiji Hara, Hiroshi Imai, Yoichi Shinkai, Jun K. Yamashita** ( * は筆頭著者、** は責任著者)
概 要:
マウスES細胞が他の細胞へ変化する(細胞分化)のを早くするためのメカニズムの一端を解明した。



<山下潤教授のコメント>
 「私が責任著者である論文を撤回することとなり、共著者をはじめとする多くの方々にご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。CSC論文について自主検証を行ったところ、不備があることが確認されました。本論文の責任著者として指導・監督が不十分であったことを深く反省しております。今後もより一層真摯に対応してまいります。」

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