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2018年10月5日

渋谷でトークイベントを開催しました

 2018年9月10日、一般社団法人SNOWBANKとCiRAは、東京都の渋谷キャストにてトークイベント「再生医療を明日使いたい人に届けるために」を開催しました。このイベントは、iPS細胞を使った再生医療研究の現状について、首都圏の方々にもお伝えするために開催されました。会場には10代〜70代までの幅広い年齢層の23名の方にご来場いただきました。

 はじめに、SNOWBANKの代表でありプロスノーボーダーでもある荒井DAZE善正さんが講演されました。荒井さんはかつて、慢性活動性EBウィルス感染症という難病を患いましたが、骨髄移植によって快復し、一時活動を停止していたプロスノーボーダーにも復帰しています。講演では、闘病当時骨髄ドナー探しに苦労した経験から、骨髄バンク登録の重要性を語りました。

 現在、骨髄バンク登録者の高齢化が進んでいます。骨髄提供は55歳までしかできないので、このまま高齢化が進むと、提供者が不足してしまう可能性があります。そこで荒井さんは、スノーボードなどのイベントを通じて、若者に骨髄バンク登録を呼びかけています。また、荒井さんは、CiRAが推進している再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトにおいても骨髄バンクが重要な役割を果たしていることに触れ、iPS細胞を使った医療を実現するためにも、広く骨髄バンクへの協力を求めていきたいと述べました。

 次に、CiRA副所長の髙須直子教授基盤技術研究部門)が、CiRAの概要と研究の現状について説明しました。CiRAでは、iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療や血小板輸血の実現を目指して研究を進めていますが、現在克服すべき課題のひとつが、細胞を用意するためのコストと時間の問題です。それらの問題を克服するため、CiRAでは再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトを推進しています。髙須教授は、本プロジェクトの概要を説明するとともに、今年に入って始まった治験や臨床研究について解説しました。

 2人の講演ののち、鈴木智之さん(株式会社三菱総合研究所主任研究員 兼 株式会社Moff事業開発マネージャー)の進行のもと、荒井さん、髙須教授およびCiRAの和田濵裕之サイエンスコミュニケーターがパネルディスカッションを行いました。

 会場へお越しいただいた参加者からは、登壇者へいろいろな質問が寄せられました。例えば、現在行われている治験や臨床研究が一般的な治療として普及するのはいつ頃かという質問に対しては、実用化の時期は臨床研究の結果次第で、まだ目途を立てるのは難しいため、正確な情報を大学のホームページなどから入手して見守ってほしいと伝えました。また、骨髄バンク登録をさらに普及させるための取り組みについても意見を交換しました。

 今回ご参加いただいた皆様からは、難しそうだと思っていたがわかりやすい説明で、iPS細胞についてよく理解できたというご感想もいただきました。また、患者さんと研究者の両方の立場から再生医療についてディスカッションすることができ、大変有意義なイベントになりました。

(左から)鈴木智之さん、荒井DAZE善正さん、髙須直子教授、和田濵裕之SC

 CiRAでは、今後もiPS細胞に関する研究について理解を深めていただくため、いろいろなイベントを開催していきたいと考えております。今後のイベントの予定につきましてはイベントカレンダーをご覧ください。

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