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研究成果 
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2020年7月1日

AIを用いた細胞データ解析に関する共同研究の検討を日本IBMと開始

概要

 京都大学iPS細胞研究所(所在地:京都市左京区、以下「CiRA」(サイラ))は、「AI(注1)を用いた細胞データ解析」に関し、日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都中央区、以下 「日本IBM」)との共同研究に向けた検討に関する覚書を締結しましたのでお知らせします。

 CiRAでは、CiRAにおいて開発を進めているヒト細胞情報データベースを起点として、人工知能・機械学習技術、高速データマイニング技術、遺伝子ネットワーク推定技術、ゲノム解析技術などを駆使してヒト細胞状態を理解することによって、生命情報科学に基づく優れた創薬・組織再生技術を提供できる可能性があると考えています。

 検討後に開始される共同研究においては、Human Cell Atlas(注2)のヒト細胞の1細胞データ(注3)、Stemcell Knowledge & Knowhow Portal(注4)の幹細胞株データ、幹細胞を用いた化学物質リスク共有コンソーシアム(注5)の幹細胞毒性反応データ等のiPS細胞に関わる各種データに関連するCiRAの藤渕航教授のグループによる研究成果をもとに、COVID-19(注6)対策を含む、製薬企業や研究者の解析を支援するデータベース及び解析システムを構築することによる疾患の解明や創薬研究に貢献することを目指します。

用語説明

注1) AI(Artificial Intelligence)
人工知能

注2) Human Cell Atlas(HCA)
人体を構成する推定37兆個の細胞を網羅するカタログをつくるプロジェクト

注3) 1細胞データ
各細胞の時空間的情報と遺伝子発現プロファイル(RNA-Seq)などの情報

注4) Stemcell Knowledge & Information Portal (SKIP)
幹細胞情報データベース及び幹細胞に関する情報を提供するポータルサイト

注5) 化学物質リスク共有コンソーシアム(scChemRISC : Stem Cell-based Chemical Risk Information Sharing Consortium)
未分化幹細胞及び品質が安定な分化細胞を用いた化合物の反応データベース開発を支援し、今後の企業や研究の現場でヒト細胞へのリスク試験において評価情報の基盤を構築することにより、研究成果を社会に還元することを目的とするコンソーシアム。

注6) COVID-19(Corona-virus disease -19)
2019年に発見されたウイルスであるSARS-CoV-2への感染によって引き起こされる感染症の名称。
いわゆる新型コロナウイルス感染症。

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