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主任研究者
Principal Investigators

臨床応用研究部門 堀田 秋津 准教授

堀田 秋津 写真
堀田 秋津 Ph.D.
研究概要

現代の医学をもってしても治療が難しい難病の半数以上で、遺伝子変異が関与するといわれています。こうした遺伝子変異が原因で発症する難病に対する新しい治療法を開発するためには、遺伝子修復技術と患者さん由来iPS細胞が大きな力を発揮します。堀田研究室では難病の一つである筋ジストロフィーを主な対象疾患として、さまざまな技術開発研究を進めています。

CRISPR-Cas9をはじめとするゲノム編集技術の登場により、ヒトゲノム上の標的遺伝子を部分的に書き換えることが可能になりました。しかし、疾患ごと・患者さんごとに遺伝子変異のタイプはさまざまで、適切なゲノム編集技術を適切な方法で活用しないと、効率的に遺伝子変異を修復することができません。我々はこれまで、CRSIPR-Cas9を用いたゲノム上エクソンスキッピング法を開発し、変異遺伝子を修復可能であることを、患者さん由来のiPS細胞で証明してきました。また新規CRISPR-Cas3システムが狙った箇所から一方向に大きくゲノム配列を削るというユニークな特徴を持つことに注目し、ゲノム編集による遺伝子変異修復方法の幅をさらに広げることを目指しています。さらに、このようなゲノム編集技術については、オフターゲット変異導入リスクについても、さまざまな角度から検証して、安全性を高めています。

また、研究室で培養する細胞での遺伝子変異修復に成功したとしても、患者さんの体内の遺伝子変異を修復するためには、CRISPR-Cas9を標的細胞の核内にまで送り届ける必要があります。我々は、細胞侵入のプロフェッショナルであるウイルス粒子を改変することにより、高効率かつ低毒性でCRISPR-Cas9を生体骨格筋組織へと送達可能なNanoMEDIC技術の開発や、武田薬品工業との共同研究で脂質ナノ粒子(LNP)によるCRISPR-Cas9の送達技術などを開発してきました。

さらに、筋ジストロフィーの患者さんは後期になると骨格筋細胞が著しく減少するため、筋細胞がないところで遺伝子変異を修復するだけではおそらく治療としては不十分で、新たに骨格筋細胞等を補充する必要があります。患者さん自身のiPS細胞で遺伝子変異を修復する自家移植のほかに、健常なボランティアの方から作製したiPS細胞を移植する他家(同種)移植も検討されています。しかし後者の場合、細胞表面に存在するHLAタンパク質型の多様性により、免疫拒絶が起きてしまうことが知られています。そこで、CRISPRゲノム編集により、特定の標的HLAだけを選択的に削除することにより、免疫拒絶リスクを劇的に下げたiPS細胞の作製方法を編み出しました。

このように堀田研究室では、CRISPR-Cas9やCas3等のゲノム編集技術を活用した分子レベルでの遺伝子変異修復技術、ウイルス様粒子(VLP)や脂質ナノ粒子(LNP)を用いたナノ粒子レベルでの薬剤送達技術、そしてHLAを改変した細胞レベルでの免疫拒絶回避技術など、独自の技術開発を行ってきました。こうした高度なサイエンスに立脚したさまざまな新技術を有機的に組み合せ、ゲノムというもっとも身近な未開の地を切り開き、遺伝子変異が原因で引き起こされる筋ジストロフィーに対する革新的な遺伝子治療法の開発に挑戦しています。

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