研究概要

近年の技術の進歩により、これまで見過ごされてきたものが見えるようになってきました。その結果、「DNAから転写されたメッセンジャーRNAが細胞機能を担うタンパク質に翻訳される」と説いた古典的なセントラルドグマが、最近見直されはじめました。

私たちは、未同定の小さなタンパク質や機能性RNAなどの古典的なセントラルドグマに含まれない分子に着目しています。これらの分子は、生命現象や分子機構を説明する上で「足りないもの」の有力な候補です。

このような新しい視点で、多能性幹細胞をモデルとして細胞の運命決定の謎を解き明かすことを目指して、以下のような研究テーマに取り組んでいます。

1. 分化多能性の維持に関わる翻訳制御因子の役割を理解する
2. 非標準的な翻訳機構と小さなタンパク質が担う細胞機能に迫る
3. 多能性幹細胞で発現する機能性RNAの働きを明らかにする
4. 機能スクリーニングとバイオインフォマティクスの融合により分化多能性ネットワークを再現する