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主任研究者
Principal Investigators

未来生命科学開拓部門 川口 義弥 教授

川口 義弥 写真
川口 義弥 M.D., Ph.D.
研究概要

医学におけるiPS細胞の有用性は、①目的とする臓器の発生過程を培養皿上で再現することで機能的細胞を作製し、移植材料として用いることの他に、②病気の仕組(病態)を再現して薬剤開発に役立てることの2つにあります。しかしながら、ある病気に関与する細胞種が複数存在する場合には、iPS細胞だけを用いてその病態を再現することは極めて難しいという限界があり、マウスなどのモデル動物は依然として極めて有用な病態解析方法といえます。

たとえば、癌の病態には、癌の発生母地となる上皮細胞以外に、周囲の間質細胞、血管細胞、さらには免疫細胞など多数の細胞種が関与することが分かっています。また、老化にともなう臓器機能の低下には、実際の臓器機能を担う細胞自身の機能低下に加えて免疫細胞の浸潤による慢性炎症状態が関与していることも明らかになっています。従って、癌や老化現象の病態解明には、iPS細胞だけを用いた戦略では勝ち目がありません。

私たちは、膵臓をはじめとする内胚葉臓器を対象に、先に述べたiPS細胞の有用性を最大限活用した研究だけでなく、臓器再生現象や老化・癌を対象としたiPS細胞を用いない研究を同時に進めています。その理由は、iPS細胞から機能的細胞を作る過程で再現する臓器発生期と再生や老化・癌で見られる細胞の振る舞いには、活発な増殖と細胞移動に代表される共通点があるからです(ただし、各プロセスでの方向性はそれぞれ異なります。たとえば臓器発生は細胞の分化と組織構築が同時進行することで機能を獲得するプロセスであるのに対し、癌では細胞の脱分化と組織破壊が進行する結果、臓器機能が喪失してゆきます)。私たちは、この観点に立って、臓器発生・再生・老化・癌に関する研究を同時に推進するメリットを最大限に活かそうとしています。

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