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主任研究者
Principal Investigators

未来生命科学開拓部門 山中 伸弥 名誉所長・教授

山中 伸弥 写真
研究概要

私たちは1997年にタンパク質翻訳にかかわると考えられる遺伝子NAT1(eIF4G2)を同定し、2000年にはこの遺伝子がマウスの初期発生や胚性幹(ES)細胞の分化能に必須であることを見出しました。この結果をきっかけにES細胞の分化多能性に関する研究を開始し、2006年にはマウスの体細胞に4つの遺伝子を導入することにより、ES細胞とほぼ同じ性質をもった人工多能性幹(iPS)細胞 の誘導に成功しました。iPS細胞は、体のほぼすべての細胞に分化する能力と、ほぼ無限に増殖する能力を獲得した多能性幹細胞です。再生医療・創薬への応用に向けて世界中で基礎研究・開発研究が推し進められ、iPS細胞技術から出発した細胞・医薬品が次々と臨床の場に届けられつつあります。さらにiPS細胞を作る4つの遺伝子を短期間のみ作用させることにより、老化に伴う細胞機能の低下を回復させる可能性も示唆されています。一方で、NAT1の機能については多くが不明のままです。NAT1は、すべての細胞で高発現しており動物種間で保存されていることから、初期胚やES細胞のみならず、動物細胞において普遍的な役割を果たしていると考えられます。

以上のような経緯から、当研究室では次の各テーマに取り組んでいます。

  1. 遺伝子改変マウスを用いたNAT1の生体機能の解明
  2. ヒトおよびマウスES/iPS細胞を用いたオルガノイドや幹細胞研究
  3. 1細胞発現解析や質量分析を用いたマルチオミックス研究
  4. 老化による細胞機能低下のメカニズムの解明と、その回復法の探索
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