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2018年10月9日

【開催報告】神戸市内で一般の方対象シンポジウムを開催しました

 2018年9月25日(火)、神戸市内にて、神戸新聞情報文化懇話会とCiRAが、一般の方を対象としたシンポジウム「神戸から拓くiPS細胞の未来」を共催しました。CiRAでは、iPS細胞について広くご理解いただくため、毎年一般の方向けのシンポジウムを開催しています。今回のシンポジウムは、神戸新聞創刊120周年を記念神戸新聞情報文化懇話会特別講演会およびCiRA定期シンポジウムとして開催されました。

 当日は心配されていた雨も降りださずに持ちこたえ、過ごしやすい気温となりました。会場には、神戸新聞情報文化懇話会の会員のほか、社会人や学生の方々がご参加くださいました。

 シンポジウムの冒頭では、神戸新聞社の高士薫 代表取締役社長より開会の挨拶がありました。挨拶の中で高士社長は、神戸でiPS細胞に関する研究が盛んに行われていることと、今後の研究の進展に期待する旨を述べました。

 続いて、CiRA所長の山中伸弥教授が、iPS細胞とは何か、どのようなことに使えるのかなどを説明しました。神戸開催にちなんで、母校である神戸大学に在籍中のエピソードや、神戸のラグビーチームに所属していた平尾誠二さんとの交流にも触れながら、今治せない病気を治すことが医学研究者の目標であり、iPS細胞を使って世界中の研究者が、いろいろな病気に対する研究を進めていることを述べました。

高士薫 社長

山中伸弥 教授

 山中教授に続いて、iPS細胞を使った再生医療と創薬の分野で実際に研究を進めている研究者から講演がありました。理化学研究所の万代道子副プロジェクトリーダーは、高橋政代リーダーとともに、iPS細胞から眼の細胞を分化させ、それを患者さんに移植する再生医療によって、加齢黄斑変性を治療することを目指して研究を進めています。今回の講演では、眼科医として臨床に立ち続けている経験から、病気のメカニズムに関心をもち研究を始めたという経歴のほか、加齢黄斑変性の臨床研究の概要や、網膜色素変性に対して現在行っている研究について説明しました。

 CiRAの池谷真准教授は、iPS細胞を使った創薬について解説しました。池谷准教授が対象としている疾患はFOP(進行性骨化性線維異形成症)で、昨年から池谷准教授やCiRAの戸口田淳也教授らの研究成果をもとに治験が始まっています。講演では、治験に至るまでにどのように研究を進めてきたのかを説明し、同様の手法でいろいろな病気に対する創薬研究が行われており、今後も患者さんの利益のため努力を続けていきたいと述べました。

万代道子 副プロジェクトリーダー

池谷真 准教授

 最後に、講演者3名によるパネルディスカッションを行い、事前に参加者からいただいていた質問に回答しました。研究に関する質問のほか、来場者に学生さんが多かったことから、研究者として大切なことやワークライフバランスについても質問がありました。

 今回のシンポジウムでは、CiRAが出展したブースにも多くの方にお越しいただき、iPS細胞研究に対する関心の高さがうかがえました。また、iPS細胞を使った再生医療と創薬の両方の分野において、実際に研究を進めている研究者から話を聞けたことで、iPS細胞研究の現状についてよく理解できたという感想もいただきました。

パネルディスカッションの様子

CiRAブースの様子

 CiRAでは、今後も研究内容について幅広く知っていただくため、いろいろなイベントを企画しています。
イベントの予定についてはイベントカレンダーをご覧ください。

※写真:神戸新聞社提供

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