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iPS細胞の医療応用を目指し第二期共同研究契約を締結

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2023年4月12日

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とアステラス製薬
iPS細胞の医療応用を目指し第二期共同研究契約を締結

 京都大学iPS細胞研究所(所在地:京都市左京区、所長:髙橋 淳、以下「CiRA」)とアステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)*1由来の分化細胞・組織の活用をより一層推進し革新的医療ソリューションを創出するため、第二期共同研究契約を締結しました。

 両者は、第一期(2017年7月~2023年3月)において、iPS細胞の「創薬応用」に関する包括的な共同研究を実施してきました。第二期では、これまでの取り組みを発展させ、iPS細胞由来の分化細胞・組織に関する技術基盤にデジタル技術を組み込み、創薬応用を一層加速し、より広く「医療応用」へと発展させるため、以下に取り組みます。

1. Mahol-A-Baの活用による、iPS細胞由来の分化細胞・組織を高品質かつ安定的に作製する技術基盤の構築
 iPS細胞を適切な状態で維持し、目的とする細胞へ分化させるためには熟練した研究者の手技や、経験に基づく判断力が必要です。また、化合物の薬理作用を評価するためには、iPS細胞から目的の細胞に分化しているかを確認する、熟練した研究者の観察眼が必要です。そこで、iPS細胞由来の分化細胞・組織を高品質かつ安定的に作製する技術基盤を構築します。

 本共同研究のためにロボットおよびAIを駆使したアステラス製薬独自の細胞創薬プラットフォーム「Mahol-A-Ba」*2をCiRAに導入し、Mahol-A-Baを活用したデジタルプロトコル構築による、高品質かつ再現性の高い分化誘導手法の構築、および分化細胞ライブラリの作製に取り組みます。

CiRAに導入した「Mahol-A-Ba」

2. iPS細胞由来の分化細胞・組織を用いた新たな評価系の構築
 iPS細胞から分化した様々な組織や臓器の細胞は、病気の原因究明や医薬品候補の薬理評価に活用されています。本共同研究では、先進的な病態モデルや患者個体差を評価できるモデルを構築することで、臨床予測性をさらに高め、従来の手法では限界のあった疾患に対する医療ソリューションの創出を目指します。

3. iPS細胞由来の分化細胞を用いた細胞医療プログラムの創出
 1、2を応用し、新たな細胞医療プログラムの創出や、現在の細胞医療全般に関わる課題(目的の細胞への効率的な分化方法の確立など)の解決に取り組みます。

 CiRAの高橋淳所長は、「このたび、最先端の創薬基盤技術をもつアステラス製薬と共同研究を締結できましたことは、iPS細胞技術を用いた創薬の可能性を広げるための大きな力となります。アステラス製薬に心より感謝申し上げます。この共同研究を通して、さまざまな疾患における創薬、治療法開発に一日でも早く貢献できますことを期待しています」と述べています。

 アステラス製薬の専務担当役員研究担当、Chief Scientific Officerである志鷹義嗣は、「このたびの共同研究契約の締結を嬉しく思います。iPS細胞や細胞医療に関する専門性をもつCiRAと、創薬に関するケイパビリティをもつアステラス製薬が連携することで、患者さんへより大きな『価値』を届けられることを期待しています」と述べています。

 CiRAとアステラス製薬は、iPS細胞由来の分化細胞・組織の活用をより一層推進し、患者さんの新たな治療選択肢となる革新的医療ソリューションを創出することで、アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療に貢献していきます。

*1: iPS細胞についてはこちらをご覧ください

*2: アステラス製薬独自の細胞創薬プラットフォーム「Mahol-A-Ba」の詳細はこちらをご覧ください

アステラス製薬株式会社について

アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

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