ニュースレター
Newsletter

ニュースレター
Newsletter

Home › ニュース・イベント › ニュースレター › 研究を支える仕事 Vol.2 研究推進室の仕事 ~研究費獲得を支えることにやりがい~

Focus

2024年10月16日

研究を支える仕事 Vol.2 研究推進室の仕事
~研究費獲得を支えることにやりがい~

 研究を支える仕事に焦点を当てたインタビューの第2回です。今回は、研究推進室の室長 齊藤美穂さんに、お話を聞きました。

齊藤 さいとう 美穂 みほ さん

研究推進室の仕事内容を教えてください。

2022年に発足し(注)、6名のメンバーがいます。主な業務内容としては、研究者が競争的研究費を取得するために書く申請書作成支援、大型研究プロジェクトが採択された後のマネジメントサポートです。所内のプログレスセミナー(研究進捗報告会)、リトリート(研究合宿)、国内外の研究者が集う国際シンポジウムといった研究発表の場の運営もしています。研究推進室メンバーそれぞれ異なったバックグラウンドを持っており、各々の能力を生かしつつ、協力し合いながら仕事を進めています。

iPS細胞研究基金を使った研究支援制度の事務局もされていますが、どのような制度ですか?

若手研究者の育成や新しく着任されたばかりの先生方のサポートのために基金を使わせていただいています。この支援を受けたい研究者が申請書を出すのですが、私たちはその申請書の取りまとめ、この制度で支援すべきかどうかを審査する委員(CiRA教員)への審査依頼、審査結果の取りまとめ、採択通知の発送などの事務局業務を担当しています。こういう制度があることで、優秀な若手研究者に来てもらえますし、着任したばかりの先生が研究に専念できる環境が整います。他の部局ではあまり見られない取り組みで、基金のおかげで実現しています。

研究推進室のメンバー3人(左)がハイブリッド開催の
プログレスセミナーを運営している様子

仕事をするうえで心がけていることや、やりがいを教えてください。

様々な案件に対して一つ一つ丁寧に対応することを心がけています。例えば、研究費の申請書作成のサポートでも、自分の納得いくところまでは仕上げたいと思っています。申請書にコメントを入れる際には、研究内容に肩入れせずに、「外部の審査員が見たらどう思うか」と客観的な意見を書くようにしています。また、単にコメントを入れるだけでなく、特に若手研究者に対しては、直接話して研究提案の方向性を一緒に考えることもあります。丁寧に対応した分、研究者が喜んでくれることが多く、その喜びが私のやりがいにつながっています。研究者から申請書が採択されたと報告を受けたときには、「よっしゃ!」と達成感を感じます。

これからの目標は何ですか?

研究支援を志す若い人を育てて、増やしたいですね。研究支援組織はCiRA独自のものですし、他の部局でもここまで手厚い支援組織はあまりみられません。CiRAが続く限りはこの体制は続いてほしいと思います。そう考えると、私たちの次の世代の人が育っていかなければなりません。CiRAの研究内容を理解できる人が来てくれるとうれしいですが、何よりも「研究者のために役立ちたい」と思う人が適しています。ライフプランの選択肢の一つとして、こういう仕事が入ればよいなと思います。あとは、現状維持で満足しないようにと日頃から思っています。例えば毎年のイベントなどで、同じことを繰り返すのではなく、その中でも少しずつ工夫して良くしていくなど、新たな挑戦を続けていきたいです。

(注)研究を推進するための支援室は、2010年のCiRA設立当初から、「研究統括室」「所長室」として設けられていた。

  1. 取材・執筆した人:三宅 陽子


    京都大学iPS細胞研究所(CiRA) 国際広報室 サイエンスコミュニケーター

go top