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齊藤博英「山中–バルザン基金」研究者にCiRAの特任准教授称号付与

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2011年7月1日

江藤浩之教授が新主任研究者として着任
齊藤博英「山中–バルザン基金」研究者にCiRAの特任准教授称号付与

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江藤浩之 教授齊藤博英 特任准教授

7月1日付けで、新たに主任研究者として、江藤浩之前東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センターステムセルバンク特任准教授が京都大学iPS細胞研究所(CiRA)教授に就任しました。

また、同日付けで、CiRAは、齊藤博英京都大学次世代研究者育成センター(白眉プロジェクト)注1特定准教授を「山中–バルザン基金」注2の支援を受ける研究者として採用し、CiRA特任准教授の称号を付与しました。

江藤教授は、山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)を卒業後、虎ノ門病院などで内科医として勤務した後、米国スクリプス研究所で血小板活性化機構解明に関する基礎研究を行いました。帰国後、東京大学医科学研究所にて、マウスおよびヒトES/iPS細胞から血小板やその他の血液細胞を誘導するための周辺技術開発を行ってきました。

CiRAでは、臨床応用研究部門の主任研究者として、iPS細胞バンクを有効活用し、血小板や赤血球血液製剤、造血幹細胞を作製・供給できるシステムの開発を推進し、臨床応用を目指します。その為に必要な工学的デバイスの開発も同時に進める予定です。

齊藤特任准教授は、東京大学工学部化学生命工学科を卒業後、RNAが生命起源で重要な役割を果たしたとする仮説に興味を持ち、ニューヨーク州立大学への留学を経て東京大学大学院工学系研究科にて工学博士を取得しました。その後、日本学術振興会特別研究員SPD等を経て、 2010年から京都大学白眉プロジェクトの准教授に採用され、目的遺伝子の翻訳反応を制御する「人工RNAスイッチ」や、RNAとタンパク質から構築した「ナノ構造体」を活用した細胞機能制御に関する研究を進めてきました。

CiRAでは初期化機構研究部門に所属し、「人工RNAシステム」を基盤として、iPS細胞から標的細胞への分化誘導を安全、精密、かつ自律的に制御できる新技術の開発を目指します。

【江藤教授コメント】
「私たちの目指す血液作製システムが近い将来の治療法の一つとして認めてもらえるよう精進したいと思います。また、iPS細胞の登場により 『どんなことが可能になるのか』を患者さん、臨床医、産業界に啓発・呈示していきたいと思います。」

【齊藤特任准教授コメント】
「これまでに培ったRNAテクノロジーとiPS細胞技術を融合することで、iPS細胞から様々な標的細胞・組織へと定量的、高純度に分化誘導できる基盤技術を確立することを目指します。私は工学部出身で異分野からの参画ですが、CiRAでの恵まれた研究環境を最大限に生かし、頑張りたいと思います。」

注1:白眉プロジェクト
京都大学の次世代研究者育成支援事業のひとつで、優秀な若手研究者を年俸制特定教員(准教授、助教)として採用し、自由な研究環境を与え、これを全学的に支援する仕組みです。

注2:山中–バルザン基金
山中伸弥iPS細胞研究所長が昨年受賞したバルザン賞の副賞(100万スイスフラン)の2分の1を使い、若手研究者の研究支援をするために「山中–バルザン基金」を2010年12月に創設し、同時に研究者を公募しました。

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