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2015年6月30日
山中所長がカロリンスカ研究所でのシンポジウムで講演しました
6月22日(月)に、スウェーデン・ストックホルムにあるカロリンスカ研究所で開催されたシンポジウムで、CiRAの山中伸弥所長が講演しました。カロリンスカ研究所はヨーロッパ最大の医科大学で、ノーベル生理学・医学賞の選考委員会があるところでも知られています。また、幹細胞研究の分野でも先進的な研究を行っています。

シンポジウムには、カロリンスカ研究所への寄付者や一般の方、関係者など約80人が参加しました。まず山中所長が「iPS細胞:過去、現在、そして未来」と題して、iPS細胞や、iPS細胞技術を用いた再生医療や薬の開発といった2つの臨床応用について、実際の研究例を交えて分かりやすくお話しました。講演の後は「政治的議論のある幹細胞を研究するのに米国では問題はあるのか」などといった質問が寄せられ、山中所長は丁寧に答えていきました。

山中所長に続き、ジョージ・デイリー教授(ハーバード大学・ボストン小児病院)が、主にiPS細胞を用いた今後の再生医療について、また、現状では根拠がなく非倫理的な、幹細胞「治療」を謳うサービスや過剰な期待を抱かせるウェブサイトが存在すると話し、ISSCR(国際幹細胞学会)が新たに指針を改訂すると紹介しました。他に、アーバン・リンダール教授(カロリンスカ研究所)がカロリンスカ研究所での再生医療研究、ケネス・チェン教授(カロリンスカ研究所)がES細胞技術などを用いて傷害された心臓を修復する研究について講演しました。全講演終了後には、4人の演者が登壇し、参加者からの活発な質問に答え、盛会のうちにシンポジウムは終了しました。

シンポジウムは質疑応答も含め、スウェーデン語への通訳を介せず、全て英語で行われ、一般のスウェーデン人の高い英語力を垣間見ることもできました。