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2012年2月24日

CiRA国際シンポジウム2012 「Advances in Nuclear Reprograming and Stem Cell Research」を開催しました

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)主催で初となる国際シンポジウムを、2月23日(木)に開催しました。本シンポジウムは、iPS細胞研究に関心のある学生および研究者を対象に行われました。会場の京大百周年時計台記念館には、降りしきる雨にもかかわらず、国内外から約270名が参加し、山中伸弥所長をはじめiPS細胞研究の最前線で活躍されている研究者の話に熱心に耳を傾けていました。


このシンポジウムは、海外の研究者との交流を深め、一層の研究促進を図ると共に、iPS細胞技術の標準化に向けた取り組みについて議論し、国際協調の礎とすることを目的としました。


海外からはES細胞(胚性幹細胞)研究の世界的権威であるAustin Smith教授(ケンブリッジ大学)およびダイレクト・リプログラミング技術の先駆者であるMarius Wernig助教(スタンフォード大学)が来日し、最先端の幹細胞研究について講演しました。


午前中は、斎藤通紀教授(京都大学医学研究科)、Smith教授、山中教授により、ES/iPS細胞そのものの性質に迫る基礎的な研究が、午後には家田真樹准教授(慶應大学)とWernig助教が皮膚細胞からその他の体細胞(心筋細胞や神経細胞)を作製する研究が、井上治久准教授(CiRA)はALS患者さんの体細胞から作られたiPS細胞由来の神経細胞を用いた医療応用に向けた研究が、最新データを示したレクチャー形式で紹介されました。質疑応答の時間には会場からも多数の発言があり、活発な議論が行われました。


シンポジウムの終盤には、「iPS細胞の能力と可能性」というテーマで、講演者がパネリストとなりパネル・ディスカッションを行いました。「多能性幹細胞とリプログラミング生物学」「細胞運命の操作」「医療応用へ向けたリプログラミング」という3つのトピックを設け、特に2つ目のトピックでは、iPS細胞を経由して目的の細胞を作製する方法と、iPS細胞を経由しないで直接目的の細胞に変化させる方法について対比させながら、それぞれの利点について活発な議論が行われました。将来の医療応用を考えた場合には、どちらかひとつの方法に特化することなく、対象とする病気に応じて、使い分けることが重要だとの意見などが出ていました。


本シンポジウムは、内閣府「最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)」の支援を受けて開催されました。


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パネルディスカッションで議論を交わす講演者
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