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2015年8月7日

中学生向けiPS細胞講座を開催しました

 7月29日(水)に、京都市教育委員会が主催する「未来のサイエンティスト養成事業」と大津市科学館が主催する「IFクラス」の夏期講座にCiRAも参加し、「iPS細胞を研究してみよう!」と題したiPS細胞講座を開催しました。

 厳しい暑さの中、京都市から25名と大津市から15名の、計40名の中学生がCiRA講堂に集まりました。まず参加者たちは、7つのグループに分かれて席に着きました。グループのメンバーは初対面ばかりで、学年も様々だったので、初めは緊張のため口数も少なめでしたが、各グループにいたファシリテーターと一緒に自己紹介やお話をしていくうちに、だんだんと笑顔が見られるようになりました。

 講座の初めには、神経細胞やiPS細胞、心筋細胞の顕微鏡写真を見ながら、細胞の種類を当てていきました。細胞をまだ学校で習っていない参加者も多くいましたが、細胞の特徴をよく捉え、自分たちのもつ細胞のイメージやこれまでに見た記憶と照らし合わせながら、グループ内で意見を出し合い答えを決めていきました。ほぼ全てのグループが全問正解という素晴らしい結果でした。

 続いて、講師を務めた山本拓也助教(未来生命科学開拓部門)より細胞やiPS細胞の特徴について簡単な紹介がありました。そして、どのようにiPS細胞が開発されていったのかという研究の過程を、「iPS細胞マスター」でiPadを操作しながら疑似体験しました。「iPS細胞マスター」はCiRAが開発したアプリケーションですが、ゲーム感覚で楽しく学んでもらえたようでした。その後、皮膚の細胞からiPS細胞になる過程の実際の動画を見ましたが、初めて見た参加者も多いようで、興味深く見入っていました。

iPS細胞の紹介をする講師の山本拓也助教

「iPS細胞マスター」でiPS細胞開発の疑似体験をする参加者たち

 iPS細胞はいくらでも増やすことができ、あらゆる細胞になることができる能力のある細胞ですが、そのようなiPS細胞を使ってどのようなことを叶えてみたいかグループで話し合いました。「病気の人にiPS細胞からつくった体の色々な部分の細胞を移植する」「一生健こうな体を手に入れる」「絶めつした動物をつくってみたい」などたくさんの意見が出、山本先生がコメントをしていきました。

グループごとで意見を出し合うようす

各グループでたくさんの意見が出ました

 そして、後半では山本先生が自身の研究について紹介しました。iPS細胞は私たちの皮膚や血液から作られますが、どのようなメカニズムでiPS細胞ができていくのか、まだ分かっていないことが多くあります。そのメカニズムについて、山本先生は私たちの体の設計図であるゲノムという観点からアプローチしています。

 2時間半に渡る講座の最後は、実際にiPS細胞を使った研究をしている研究棟見学で締めくくられました。参加者からは「iPS細胞を実際に見て、とてもすごかった。iPS細胞の作り方を体験してみてとても大変だということがわかった」「自分たちで考えたり、活動するところも多くて良かった」といった感想が寄せられました。

山本助教より修了証を受け取る参加者

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