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2015年9月7日

日立とCiRAが「健常人iPS細胞パネル」の構築に向けた協力について合意

株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)と国立大学法人京都大学iPS細胞(※1)研究所(CiRA、所長:山中 伸弥/以下、CiRA(※2))は、このたび、健常人iPS細胞パネルの構築に向けた協力をすることで合意しました。

CiRAでは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED(※3))の再生医療実現拠点ネットワークプログラム「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」等において、さまざまな病気の患者さんの細胞からiPS細胞(疾患特異的iPS細胞)を樹立し、公的な細胞バンクに寄託することにより、多くの研究者や企業が使用できる環境を整備するとともに、これらの病気の発症メカニズムの解明や治療薬の開発を進めています。
 研究を進める上で、疾患を持つ方と持たない方について、年齢や性別など属性が近い方のiPS細胞同士を比較検討することが必要であり、疾患特異的iPS細胞やそれに付随する診療情報で構成された「疾患特異的iPS細胞パネル」に加えて、これらの疾患を持たない方の細胞から樹立したiPS細胞と健康に関するデータで構成された「健常人iPS細胞パネル」の整備も不可欠です。また、健常人iPS細胞パネルには、細胞提供者が将来もこれらの疾患を持たないことを確認する必要があるため、健康に関するデータを長期間にわたって入手できることが特に重要となります。

疾患特異的iPS細胞パネルは、CiRAが特定の疾患を持つ患者さんから検体や診療情報の提供を受けて構築していますが、このたび、日立が運営する日立健康管理センタ(センタ長:林剛司、茨城県日立市/以下、日立健康管理センタ)は、健康診断に訪れる健常人からドナーとなるボランティア(以下、ドナー)を募り、CiRAにおける日立の健常人iPS細胞パネル(以下、日立iPS細胞パネル)の構築に協力します。
具体的には、日立健康管理センタにおいて、同意いただいたドナーから血液を採取し、匿名化した健診データとともに、CiRAに提供します。その後、CiRAが血液細胞からiPS細胞を樹立し、これらのiPS細胞および健診データからなる「日立iPS細胞パネル」を構築します。

健常人iPS細胞パネルの構築には、多数の健常人ドナーを確保するとともに健診データと関連付ける必要がありますが、日立健康管理センタでは、長期にわたり継続的に健診データを収集・活用し、医療の発展に貢献してきた経験を踏まえ、有用性の高い「日立iPS細胞パネル」の構築に貢献できると考えています。健常人iPS細胞パネルの構築や疾患特異的iPS細胞パネルとの比較研究を通じて、特定の病気の発症原因および進行過程など、これまでわからなかった病気の詳しい原因の解明や、新たな治療法・医薬品の開発などにつながることが期待されます。

「日立iPS細胞パネル」の構築は、iPS細胞の医療応用に向けた重要なプラットフォームを構築するものとして、社会的意義も極めて高いと考えています。なお、日立iPS細胞パネル構築に関する費用は、CiRAが負担します。

「日立iPS細胞パネル」構築の計画については、京都大学医の倫理委員会で2015年7月27日に、続いて、日立製作所病院統括本部倫理委員会でも8月17日に承認されました。これにより、9月以降からドナーの募集を開始し、さまざまな年齢、性別の方からなる100名程度の「日立iPS細胞パネル」の構築をめざします。また、「日立iPS細胞パネル」で樹立したiPS細胞のうち、ドナーの同意をいただいたものは、幅広いiPS細胞研究の発展や実用化への貢献に供するため、公的な細胞バンクである理化学研究所バイオリソースセンターに寄託します。

■「日立iPS細胞パネル」の範囲
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1 iPS細胞:人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)。山中所長が2007年に世界で初めてヒトiPS細胞の培養成功を発表しました。2012年に山中所長はノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
2 CiRA:Center for iPS Cell Research and Applicationの略。
3 AMED:Japan Agency for Medical Research and Developmentの略。

■日立製作所のヘルスケア事業について
日立のヘルスケア関連事業においては、バイオ医薬品(抗体医薬、ワクチンなど)製造業向けの機器、再生医療向け設備・機器、さらに病院・医療機関向けの診断・検査・治療関連の機器の製造・販売を行っています。再生医療分野では、日立グループ内に有する、細胞処理施設、設備や機器、情報システム、サービスなどの幅広いソリューションの提供に加え、自動培養技術の開発などに取り組んでいます。また、再生医療関連の業界団体(一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムなど)や関連企業との広い連携により、再生医療産業の発展の一端を担っていきます。日立は、CiRAと細胞製造技術の開発やデータ解析技術の活用などさらなる連携も含めて、今後も幅広く議論を進めていきます。詳しくは、日立製作所のホームページをご覧ください。

■日立健康管理センタについて
日立は、日立総合病院、ひたちなか総合病院、多賀総合病院、土浦診療健診センタ、日立健康管理センタを有しています。中でも日立健康管理センタは、茨城県日立市を中心とする日立グループの従業員約4万人弱ならびにその家族、退職者を対象とした健康診断(人間ドック含む)を行っており、健診データを約20年にわたり電子化し、蓄積するなど、国内でもトップクラスの優れた精度とデータ量を有しています。これまでも日立製作所病院統括本部倫理委員会で承認された研究に対し、受診者の同意の下、健診データを活用することで、医療の発展に貢献しています。



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