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2016年1月26日

出張CiRAカフェin名古屋「今宵限りのiPS Bar」を開催しました

 1月22日(金)に、名古屋市内の文化系飲食店「ボクモ」にて、出張CiRAカフェin名古屋「今宵限りのiPS Bar」を開催しました。本イベントは、名古屋大学が開催する第64回名大カフェと共同で開催しました。名古屋で、また、バーを会場にしたイベントは、CiRAとして初めての試みでしたが、20代から70代まで幅広い年齢の、約30名にご参加頂きました。

 まず初めに、CiRA国際広報室のサイエンスコミュニケーターである中内彩香研究員がiPS細胞やCiRAについて紹介しました。iPS細胞はなんとなく聞いたことがあるという方にも、iPS細胞とはどんなものなのか、どのように医療に役立つと考えられるのかといったイメージをつかんでいただきました。

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 続いて、櫻井英俊准教授(CiRA臨床応用研究部門)が、iPS細胞を使った筋ジストロフィーの治療に向けた研究についてお話しました。

 デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、小児期に発症する筋ジストロフィーの中でも最も患者さんの数が多い疾患です。ある遺伝子の異常によってジストロフィンというタンパク質ができないために、日常生活でどんどん筋肉が壊れることで筋力が低下し、呼吸不全や心不全に至ってしまいます。現在では、優れた治療法がなく、病気のメカニズムについても完全には分かっていません。

 そこで、櫻井さんは、iPS細胞を使って、筋肉の細胞を再生するのに重要な働きをするサテライト細胞を移植することでDMDを治そうという再生医療や、DMDの病態をiPS細胞を利用して体外で再現し、それをヒントに薬を開発する研究について話しました。再生医療研究では、サテライト細胞のように働く細胞を安全性高く作製することや、患者さんの遺伝子を直してジストロフィンを作る筋細胞が作製できたという成果を紹介しました。また、DMD患者さんの筋細胞ではカルシウムイオンの取り込みが増えているという初期の病態を再現することに成功し、今後、病態を改善する薬の候補を見つけていくという創薬研究の展望をお話しました。

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 お話の後は、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所の佐藤綾人講師を話の聞き手(ファシリテーター)としてお迎えし、質疑応答を行いました。どうしてDMDでは3歳頃から筋力が低下し始めるのか、健常者から作る、多くの人に使えるiPS細胞では拒絶反応に対してどのような工夫をしているかといった質問から、iPS細胞研究の倫理面でのルール作りや研究資金等海外との違いや、研究者を目指す若者へのメッセージなど、時間を惜しむようにたくさんの質問を頂き、大いに盛り上がりました。参加者の方からは「すごく面白いイベントでした」「飲みながら、食べながらなので、リラックスして聴講できる!」といった感想を頂きました。


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 また、イベント終了後に希望者を対象に、ゲストの先生方を交えた交流会を開催しました。イベントから引き続き、お料理やお酒を楽しみながら、さらに踏み込んだ質問や雑談をしたり、とアットホームな雰囲気で研究者らと親睦を深めて頂くことができました。

 今後も、CiRAカフェを含め、多くの方にiPS細胞研究についてご紹介するイベントを開催する予定です。詳細が決まりましたらホームページでお知らせします。

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