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2016年12月19日

出張CiRAカフェ「iPS夜話」第4回を開催しました

 12月13日(火)に第4回出張CiRAカフェを大阪市内のグランフロント大阪のカフェで開催しました。約55人が参加してくださいました。参加できなかった皆様にはお詫びもうしあげます。

 はじめに、CiRA国際広報室のサイエンスコミュニケーターである和田濵裕之研究員がCiRAで現在行われている研究を中心に、iPS細胞研究の概要について紹介しました。「iPS細胞から出来ない細胞はあるのか」「何をもって特定の細胞に分化できたといえるのか」など、参加者から鋭い質問をいただきました。

カフェの前に大きな白いバラの
クリスマスツリーがありました。

iPS細胞研究の概要について話す
和田濵研究員

 続いて、同サイエンスコミュニケーターの中内彩香研究員が、「世界で活躍するiPS細胞」と題して、アメリカやヨーロッパ、アジアでどのようなiPS細胞研究が行われているのかや、どのような研究支援のしくみがあるのかについてお話しました。

海外調査結果を説明する中内研究員

 実際に海外の研究施設などを訪問し、著名なiPS細胞研究者や、研究支援者から最新の研究動向や研究支援体制を調査した結果の一部を紹介しました。今回のイベントでは、ハーバード幹細胞研究所のダグラス・メルトン教授が進めている糖尿病の再生医療に向けた研究やケビン・エガン教授らによるALS(筋萎縮性側索硬化症)の創薬研究、スタンフォード大学の中内啓光教授らによる動物の体内で人の臓器を作る研究、そしてシンガポール科学技術研究庁のジョナサン・ユイン・ハン・ロー博士らによるごく少量の血液からiPS細胞を作る技術の状況を説明しました。

 研究支援については、CiRAの研究支援体制のモデルになったグラッドストーン研究所(アメリカ)のしくみや、アメリカの幹細胞研究を進める上で大きな力となっているニューヨーク幹細胞財団やカリフォルニア再生医療機構、そしてヨーロッパでの幹細胞研究についてのサイエンス・コミュニケーション活動を展開するユーロ・ステム・セルの取り組みを紹介しました。

 日本は、今のところiPS細胞研究においてリードを保っていますが、これから国際的にiPS細胞を用いた研究競争が激化すると予想されます。調査を通して、日本が引き続きリーダーシップをとることができるかは「人材交流」と「研究支援・環境の充実」が鍵となってくることが分かりました。中内研究員は、「研究」と「研究支援」を自転車の車輪に見立て、「両輪で走っていくべき」と強調しまたした。

 会場にはiPS細胞とiPS細胞を使って作製した軟骨組織が観察できるコーナーを設け、参加者は簡易顕微鏡で観察しました。「iPS細胞を初めて自分の目で見た」「iPS細胞を身近に感じられた」などのコメントや感想をいただきました。

 今後もこうしたイベントを開催してまいります。詳細が決まりましたら改めてお知らせします。過去のイベントを含め、開催日時はイベントカレンダーをご覧ください。

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