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2023年4月12日
【開催報告】CiRAメディア勉強会×第33回CiRAカフェ「再生医療:治療と研究って どう違うの?」を開催しました
3月29日(水)14時から、CiRAメディア勉強会×第33回CiRAカフェ「再生医療:治療と研究って どう違うの?」を開催しました。今回はオンライン(zoom)での開催で、43名の方にご参加いただきました。
今回のイベントでは冒頭に再生医療に関するクイズを行いました。

「iPS細胞を使った再生医療は治療として多くの人に提供されている?」という質問に対しては、アンケートに答えた35人のうち22人(63%)が「① 提供されているものもある」を選びました。
実際には、現時点でiPS細胞を使った再生医療は治験や臨床研究という段階で、まだ研究段階にあると言えます。治験や臨床研究に関する報道を見て、治療が行われていると感じている方が多くいらっしゃるようでした。
その後、上廣倫理研究部門の藤田みさお教授が研究と治療との違いについて、紹介しました。
新しい科学技術が患者さんに届くまでには、基礎的な実験、動物実験、ヒトでの研究を通して、安全性や有効性を十分に検証した上で、治療になります。

研究と治療とでは、目的が違っています。研究は未来の患者さんのために、未確立の医療の安全性や有効性を見極める行為ですが、治療は目の前の患者さんに役に立つことが第一の目的とされる行為です。

また、研究と治療の違いは、実施基準にもあります。研究では、研究意義に照らして患者さんが負うリスクが妥当であることが求められますが、治療では、患者さんが得られる利益が患者さんの負うリスクより上回ることが求められます。

こうした「研究」と「治療」の区別は、自分の受ける医療についてよく理解した上で決めるために重要です。
最後に、架空の医療機関のウェブサイトを例に紹介しながら、再生医療の治療を受ける際に注意すべきことを紹介しました。
参加者からは、「保険適用になっている再生医療の数が17種類にもなっていること」や「保険診療と自由診療との違い」について初めて知ったという声が寄せられました。また、「自身に『治験』=『研究』の認識が、非常に薄れていたことに気づかされ、はっとしました」「このような学びの機会から、多くの人が正しい理解と適切な治療(研究参加)の選択の助けとなるのではと感じました」といった感想をいただきました。
今回のイベントでは、再生医療について、治療と研究の違い、保険適用になっている再生医療の種類、保険診療と自由診療の違い、治験と研究の関係など、様々な情報を提供しました。また、クイズやアンケートを通じて参加者の皆さんが、再生医療や研究と治療の違いについてどのような印象を持っているのか知ることができました。
今後も、こうしたイベントを通じて、再生医療やiPS細胞に関する情報を提供し、これから再生医療など新しい医療を受けようとされる方々の手助けになるよう取り組んでまいります。
最新のイベントの開催情報については、イベントカレンダーをご覧ください。
※藤田教授による話題提供部分の動画については、CiRAのYouTubeチャンネルでご覧いただけます。
- 日本再生医療学会「再生医療PORTAL」
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国際幹細胞学会(ISSCR)
「正式な臨床試験の枠外で幹細胞を用いた介入を行う際のインフォームド・コンセント基準」