2月1日（木）の午後、「RNAによる細胞制御」をテーマに、メディア関係の方々を対象とした勉強会を、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で開催し、19名にご参加いただきました。

　CiRAのメディア対象勉強会は、適切かつ正確な情報発信をめざして、CiRAの研究者と報道関係者との情報交換と信頼関係を構築することを目的に、不定期に開催しています。

　今回は未来生命科学開拓部門の齊藤博英教授が登壇し、現在行っている研究とこれから目指す研究について紹介しました。

記者に向けて説明をする齊藤博英教授

　齊藤教授は、RNAを人工的に合成して、細胞の中に導入する技術に注目して研究を進めています。最近では新型コロナウイルスに対するワクチンが、この技術を使っていました。

　RNAは分解されやすく、細胞の中に取り込まれても、もともと細胞の中にあった遺伝子に傷をつけるリスクが極めて低く、安全性が高いと考えられます。再生医療の分野でも、遺伝子治療の分野でも利用可能であり注目されています。

　これまでに、RNAを使ったスイッチや、安定性の高い環状RNAなどを使って、細胞の運命を制御する技術を開発してきました。齊藤教授の研究グループからは、関連する成果をもとに、2つのベンチャー企業（株式会社aceRNA Technologies、xFOREST Therapeutics Co., Ltd.）も立ち上がり、産業への応用も進んでいることを紹介しました。

　齊藤教授は今後の研究として、「医療に役立つだけではなく、様々な分野に波及できるような技術開発を進め、哺乳類の合成生物学を進めたい。生命の起源に迫る研究を進めながら、次世代医療に繋がる研究、メッセンジャーRNA創薬や細胞医療に繋がる研究を推進したい。」と語りました。

会場の様子

　CiRAでは今後もメディアの方に向けた勉強会など、イベントを開催して参ります。メディア向け勉強会にご興味をお持ちの報道関係者は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。