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2024年9月17日

小中学生向けのワークショップを開催しました

 京都市青少年科学センターが主催する「未来のサイエンティスト養成事業」の夏期講座にCiRAが協力し、8月7日(水)に小中学生向けイベント「細胞について想像してみよう!」を開催しました。本イベントは、上廣倫理研究部門三成寿作准教授の研究室が中心となり企画されました。当日は、小学4年生から中学2年生までの27名がCiRA講堂に集まりました。

 イベントのプログラムは三部構成になっています。第一部では、笠間絹子さん(元 三成研究室 教務補佐員)と三宅陽子さん(国際広報室 サイエンスコミュニケーター)が、「アート作品の鑑賞って具体的にはどうするの?」「自身の感想ってどのように伝えたらよいの?」といったことについてロールプレイング形式で紹介しました。

笠間さんの質問に対して挙手する子どもたち

 第二部では、子どもたちはグループごとに、クリエイティブユニットtupera tupera(亀山達矢氏、中川敦子氏)によって制作された、細胞をテーマにしたアート作品「曖昧で確かなもの」を鑑賞するワークショップに参加しました。各グループではファシリテーターによる「作品を観た時の第一印象は?」「作品で気になったところは?」といった質問を皮切りに、子どもたちが感じたことや思ったことを自由に発言し合い、他の人の見方や感じ方を聞きながら自身の印象とも重ね合わせる時間を持ちました。グループごとの鑑賞の後、ファシリテーターがそれぞれのグループでの作品鑑賞を通じてどのような対話が生まれたかを全体に共有し、さらに個々の印象や意見に違いがあることについて認識を深めました。

4名のファシリテーター:
鈴木美香さん(大阪大学、左上)、黒田雅子さん(三成研究室、右上)、
三宅さん(左下)、笠間さん(右下)

 第二部の最後には、ファシリテーターを務めた大阪大学研究オフィスの鈴木美香講師が「同じ作品を見ても、皆さんそれぞれ異なった感じ方を持っていました。どの感じ方にも間違いはないし、違っているからおもしろいのだと思います。他の人の感じたことを聞くことで、見え方がより深まる体験ができたのではないでしょうか。そして何より、今日この場を皆さん一人ひとりが協力する形で作りあげることができたことがとても素晴らしかったと思います」とコメントしました。

出村沙代さん(株式会社たがやす)による
グラフィック・レコーディング

 第三部は、三成准教授のレクチャーから始まりました。「想像するとは何か?」「細胞とは何か?」といった根本的な問いへの探求、アート作品を用いながら「細胞について想像する」ことの意義、そして、既成概念に捉われずに自由に想像したり表現したりすることの大切さについて紹介しました。

 レクチャーの後には、子どもたちが、tupera tuperaさんのアート作品「曖昧で確かなもの」を使って新たな作品にするワークショップを行いました。子どもたちは、作品の一部が白抜きにされた用紙をもとに、自由にペンやクレヨンで描いたり紙をちぎって貼ったりすることができます。初めは、どうしたらよいのか、戸惑っている様子も見受けられましたが、次第に、手を動かしてみたり考えて描いてみたりと自然と楽しんでいるようでした。ワークショップの最後には、三成准教授から、「まずは手を動かしてみること、手を動かしてみる中で見えてくることがあること、そして、このような作品の鑑賞や制作は、その時の自身の状態や状況、さらには知識や体験によっても変わっていくことの3点を気に留めてほしい」とのコメントがありました。

レクチャーを行う三成准教授と子どもたちの創作の様子

 続いて、イベントの内容をグラフィック・レコーディングでまとめていただいた、株式会社たがやすの出村沙代さんが「自身の経験によって見え方が異なってくるので、たくさんの経験をしてください」といった所感を述べられました。また本イベントに参加されていたtupera tupera亀山達矢さんからは、「細胞って人みたいで、必要なものを外から取り入れながら自分自身を大切にしているようにも思う」といった見方を共有いただきました。

出村さん(左)と亀山さん(右)による振り返り

 イベントの最後に、子どもたちはCiRAの見学ツアーに参加しました。オープンラボや培養室など、サイエンスコミュニケーターの説明を聞きながら研究所内をめぐりました。

 子どもたちからは、「絵を見て感じたことを伝えたり、他の人の意見を聞いたりすることで、新しい考え方や見え方が出てきて、楽しかった」「自由に想像することは難しいと思いました。でもとりあえず話したり、手を動かすことでいろんな想像できておもしろかった」といった感想が寄せられました。

出村さんによるイベントのまとめ

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