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2018年12月21日

iPS細胞ストック・プロジェクトの今後について

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)では、国から競争的資金をいただき、2013年度から再生医療用iPS細胞ストック・プロジェクト(注)を実施しており、2015年から医療に使用可能なiPS細胞ストックを医療・研究機関や企業に提供してまいりました。

 CiRAは、iPS細胞ストック・プロジェクトを長期的に推進するための方策を検討してまいりました。現時点においては、公益財団法人に移行することを目指した新法人を設立することを選択肢の一つと考えており、12月20日に開催された文部科学省の幹細胞・再生医学戦略作業部会で提案しました。

 また、今後の取り組みとして、ゲノム編集技術を用いて多くの患者さんに免疫拒絶が起きにくいiPS細胞を作る技術の開発や、患者さん一人一人から低コストでiPS細胞を作製する技術の開発を進めることも提案しています。

 新法人設立を含むiPS細胞ストック・プロジェクトの今後につきましては、上述の部会で審議されます。CiRAは、この部会によるご議論を尊重し、文部科学省とも協議して、最終的な方針を決定したいと考えております。具体的な方針が決まりましたら公表させていただきます。


山中伸弥 iPS細胞研究所・所長のコメント
 「iPS細胞ストックを用いた医療が本格化する十数年後を見据え、高品質の医療用iPS細胞を引き続き適正な価格で提供し、安定的に患者さんに届けることが、私たちの使命であると考えております。それを実現するために、公益財団法人を目指した法人を新たに設立することを選択肢の一つとして検討しています。」


(注)再生医療用iPS細胞ストック・プロジェクト
 HLA(ヒト白血球抗原)の型をホモ接合体(免疫拒絶反応が起きにくい組み合わせ)の細胞を有する健康なドナーから採取した皮膚や血液(末梢血・臍帯血)の細胞からiPS細胞を作製し、あらかじめ様々な品質評価を行った上で、再生医療に使用可能と判断できるiPS細胞株を保存するプロジェクトです。 2013年度に開始し、2018年12月時点で、日本人の約32%をカバーできるiPS細胞株を作製・提供しています。

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