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2025年9月25日
~iPS細胞医薬品の安定的かつ高効率な製造プロセスの実現、第二段階へ~
iPS細胞由来免疫細胞の製造工程・技術確立に関する4者共同研究契約締結のお知らせ
千代田化工建設株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:太田 光治、以下「千代田化工建設」)、国立大学法人筑波大学(所在地:茨城県つくば市、学長:永田 恭介、以下「筑波大学」)、国立大学法人京都大学(所在地:京都府京都市、総長:湊 長博、以下「京都大学」)、シノビ・セラピューティクス株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:等 泰道、以下「シノビ」)は、iPS細胞由来免疫細胞の安定的かつ効率的な製造工程・技術の確立に関する共同研究契約(以下「本契約」)を開始することをお知らせいたします。
本契約は2024年9月19日にリリースした、「千代田化工建設と筑波大学共同研究 附属病院内に細胞培養加工施設(CPF)を建設完了、運用開始」にて発表した、「がん免疫治療実用化研究のベースとなる、iPS細胞由来免疫細胞の製造工程・技術の確立プロジェクト」が、共創の場「つくばデジタルバイオ国際拠点」*1を通じて、4者の共同研究に至り実現したものです。
この間、様々な再生医療の開発プロジェクトが本CPF(通称TACT: Tsukuba Advanced Cell Therapy facility)を活用できるようになることを目指し、各種法省令に則った品質保証下での運用方法の実施・検証、また、製造工程を見据えた細胞培養手技の訓練等を積み重ね、製造基盤の整備を進めてまいりました。
このたびの共同研究締結により、iPS細胞由来免疫細胞を用いた細胞医薬品の製造プロセス開発を進め、筑波大学附属病院内に設立したTACTで検証してまいります。今後4者は本契約における役割分担に基づき、従来の医薬品では実現が困難であった疾患の治療を実現するiPS細胞医薬品の安定的かつ高効率な製造プロセスの実現に向けて共同で取り組んでまいります。
- 千代田化工建設株式会社 フロンティアビジネス本部長 伊藤 利之: 当社は、パーパスである「社会の "かなえたい" を共創(エンジニアリング)する」のもと、細胞医薬品分野の伴走型CRDO*2を目指して事業を立ち上げております。本プロジェクトに参画し、パートナーとの共創を通じて、細胞医薬品製造の安定化・効率化の課題に取り組むことで、当該技術の社会実装に向けた大きな一歩になるものと信じています。
- 筑波大学医学群医学医療系 系長 教授 高橋 智: 筑波大学附属病院内に千代田化工建設との共同研究で設置したTACTでは、今後の医療に重要な細胞医薬品の開発を進める予定です。その先駆けとして、シノビとの共同研究でiPS細胞由来免疫細胞の安定的かつ効率的な製造工程・技術の確立を行います。本4者によりiPS細胞由来免疫細胞の臨床応用が実現につながることを期待しています。
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筑波大学医学群医学医療系 がん免疫治療研究分野 特任教授・細胞培養加工施設TACT施設長
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)免疫再生治療分野 教授 金子 新:
再生医療エコシステムの一形態として、京都大学CiRAで生まれた免疫再生治療のシーズ開発がTACTとの共創段階に入ったことを大変意義深く受け止めております。iPS細胞由来の分化細胞を用いた治療の強みの一つは、その製造・品質安定性と供給力です。いま治療のない患者様に新しい治療を届けるために、アカデミアのシーズを世の中に送り出す強力なエンジンとして、TACTは免疫再生医療の製造 プロセス開発をリードします。 -
シノビ・セラピューティクス株式会社 代表取締役 等 泰道:
当社は、iPS細胞由来免疫細胞の臨床応用を目指した開発を進めており、細胞療法を必要とするすべての患者様に確実に届けることを使命としています。本契約に基づき運用が始まった筑波大学附病院内のTACT が、より高度な管理体制のもとで活用されることで、アカデミアやバイオベンチャーの臨床試験を力強く支える製造基盤となり、我が国における細胞医薬品の実用化を一層加速すると考えております。
*1:筑波大学、つくば地域をコアに展開する「産・官・学・民」連携によるバイオ分野の学際研究プロジェクト
*2:Contract Research and Development Organization(医薬品研究開発受託機関)の略称。医薬品・再生医療等製品の「研究」から「開発」までを受託する事業者
