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2023年11月30日

CiRA研究インターンシップ生インタビューvol.5
-充実した日々で研究者になりたい気持ちが上昇中-

オープンラボでの  山崎 やまざき  翔瑛 しょうえい さん(名古屋工業大学)

 山崎翔瑛さんは、名古屋工業大学生命応用化学科の3年生です。創薬研究に興味があり、1、2年生のときから同大学の研究室にコンタクトを取り、現在アルバイトとして実験に携わっています。9歳のとき、山中先生のノーベル賞受賞式を見たことが研究者を目指すきっかけとなり理系の道へ進学、今回憧れだったCiRAで9月半ばから2週間のインターンシップを経験しました。

インターンシップ中は何をしましたか?

齊藤博英研で、細胞内の相分離という現象について研究しました。相分離現象は、細胞内にあるタンパク質や核酸といった分子が、集まったり散らばったりして姿を変える現象で、神経の病気や記憶など細胞の機能に深く関わっています。インターンシップ中は、環状DNAを用いて自分が発現させたい目的のタンパク質をつくり、それをヒトの細胞に入れて、相分離が起こっているか観察する実験を繰り返しました。

CiRAでの経験はいかがでしたか?

与えてくださった研究プロジェクトがすごく良くて。本当に相分離の現象も見られましたし、今後に発展するような結果がぽんぽん出てきて、2週間とは思えないくらい充実していました。

一方で、力不足を感じた場面も何度かありました。初めてジャーナルクラブという論文紹介の場に参加させていただき、参加といっても聞くだけなのですが、発表者のレベルが高くて、目指すべきところだなというのは感じましたね。1本の論文紹介なのに、関係する論文も読み込まれていて、質問に即座に答えていらっしゃる様子を見て、知識量に驚きを隠せなかったといいますか。こんなにレベルが高いんだと改めて感じて、自分も頑張ろうと思いました。

今回のインターンシップで、研究やキャリアの目標は変わりましたか?

変わるというより、研究者として生きていきたい気持ちが強まりました。現在も上昇中、上がりっぱなしです。実験を進めていくうちに、知らない言葉がどんどん出てきて、調べて理解していく過程が本当に研究しているなと感じられて。研究って楽しいな、研究者として生きていきたいなというのは、このインターンで改めて思いました。

今回は与えてくださった実験がうまくいき、楽しく過ごすことができましたが、実際にはもっと厳しく大変なものだと想像できます。それを考慮しても、今回のインターン中に「まだ論文には出ていないから、もしかしたらこれは僕たちが世界で初めて観測したかもね」と言われたときの高揚感が忘れられません。研究者の醍醐味を体験することができ、とてもいい経験になりました。

また、世界トップレベルの研究環境を体験できたことも良かったです。話す人全員、自分より優秀なはずなのに謙虚で。研究内容やわからないことを質問したときに、聞いた以上のことを根本から教えてくださったんですよね。真摯に向き合ってくれている感じがして嬉しかったのもありますし、驕りたかぶらずに研究に向き合わないといけないなと触発されるいい環境でした。インターンは明日で終わってしまうのですが、まだ自分で確かめたいこともありますし、明日で帰るのはもったいないと感じています。

  1. この記事を書いた人:吉野 千明
    iPS細胞研究所で実験するフリーライター・編集者。オウンドメディアやプレスリリース、インタビュー記事など、これまで執筆・編集した記事は200以上。 得意ジャンルは、企業向けメンタルヘルスとサイエンス。
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