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2024年10月27日

若手研究者が研究に専念できる環境を整えるために

本池 もといけ 総太 そうた 特命助教

iPS細胞研究基金では、皆様から賜った寄付金を活用し、様々な研究支援制度を設け、研究者のサポートを行っています。その中で、今回は、専任の若手研究者の採用・育成を支援する「若手研究者育成費」を2024年度に助成された池谷研究室の本池総太特命助教(当時は特定研究員)の声をお届けします。
現在の研究内容について

 私は、もともと歯科医師ということもあり、iPS細胞から口の周辺「口腔器官」を作製し、再生治療の移植体や疾患解析のツールとして応用する研究に取り組んでいます。

 歯やあごの骨をはじめとした主な口腔器官は、赤ちゃんがまだお腹の中にいるときに一時的にみられる第一咽頭弓いんとうきゅうという構造からできてきます。先日ニュースでも取り上げられたのですが、私は、iPS細胞を第一咽頭弓の細胞へ成長させる方法を開発し、この細胞を使ってあごの骨を作製することに成功しました(ニュースリリース 2025年7月2日)。

 こういった知見をもとに、あごの疾患の病態解析や、歯や唾液腺といったほかの口腔器官の作製にも取り組んでいきたいと考えています。

CiRAの研究環境について

 CiRAでは常に最新の研究機器が導入されていて、研究支援制度も充実しています。これらは寄付者様からのご支援ありきのものであり、思い描いた研究をすぐに実行に移すことのできる卓越した研究環境にいると実感しております。

 個人としては、若手研究者育成費の支援があったことで、自身が興味を持った研究テーマに積極的に挑戦することができました。その結果、日本組織培養学会研究奨励最優秀賞の受賞や海外での学会発表、外部資金の獲得、論文発表などの成果を上げることができました。中でも、競争の激しいiPS細胞の分野において自身の成果を世界に先駆けて論文として発表できたことは、本研究に対する支援の賜物です。

 今後も、歯科医学の発展と健康な食生活の維持に貢献できるような研究成果を皆様にお届けできるよう尽力してまいります。

  1. 池谷真准教授(主任研究者)より


    本池さんは、iPS細胞を用いた顎骨がっこつ研究で世界を牽引する極めて優秀な研究者です。研究支援制度により、本池さんが研究に専念できる環境が整い、今年1月には研究員から助教に昇進しました。指導者としてその成長を間近で見守ることができることに喜びを感じるとともに、このような機会を与えてくださった支援制度と、それを支える温かいご寄付に、心より感謝申し上げます。

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