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Internship

2025年11月18日

CiRA研究インターンシップ生インタビューvol.16
-小学生の時にCiRAで抱いた夢を追いかけて-

CiRAのオープンラボでの 中島 なかしま 聖也 せいや さん
(同志社大学)

 同志社大学生命医科学部3回生の中島聖也さんは、8月から9月にかけての約6週間、櫻井英俊准教授臨床応用研究部門)の研究室にてCiRA研究インターンシップに参加しました。

 中島さんとCiRA、そして櫻井研究室との出会いは、中島さんが小学5年生だった10年前にさかのぼります。従兄が筋ジストロフィーを患っていたことから、iPS細胞を使った筋ジストロフィーの治療研究に興味を持っていました。そして、CiRAに手紙を出したところ、国際広報室より、筋ジストロフィーの治療法開発を進めている櫻井准教授を教えてもらいました。そこで、櫻井准教授に手紙を出したところ、櫻井准教授よりCiRAへ招待を受け、筋ジストロフィーの研究の現状を聞く機会を得ました。この日をきっかけに、中島さんの将来の夢は、CiRAで筋ジストロフィーに関する研究をすることに固まりました。

 10年経った現在も、中島さんの研究への熱意は増す一方です。同志社大学では、分子生物学を専攻し、基礎医学研究に必要な基礎知識の習得に励んでいます。また、入学後から、独学で論文抄読にも挑戦し、常に最先端の知識を得続けています。さらに、研究の視野を広げるため、日本筋学会学術集会、分子生物学会、小児神経学会といった、基礎から臨床までの幅広い学会に参加しています。

 今回のインターンシップでは、iPS細胞から骨格筋幹細胞を培養・誘導する際に、培地に加える成長因子のうち、必須ではないものを同定することに挑みました。櫻井研究室では、筋ジストロフィーなどの骨格筋疾患に対して、iPS細胞由来の骨格筋幹細胞を移植して治療する方法を研究しています。臨床応用を見据えると、安全性とコストの面から、成長因子をなるべく減らす必要があります。

 中島さんは、櫻井研究室が開発した既存のプロトコル(実験手順書)で使用されている成長因子を、様々な組み合わせで培地に添加し、iPS細胞から骨格筋幹細胞への誘導開始14日目から31日目までの培養を行いました。そして、誘導開始から31日目に、筋細胞の成熟度合を評価・比較しました。中島さんの頑張りは実り、見事、骨格筋幹細胞の作製に必須ではない成長因子を同定することに成功しました。この成果は、櫻井研究室が開発したiPS細胞から骨格筋幹細胞への誘導プロトコルを更に改良する可能性を生みました。

 また、インターンシップ終盤には、CiRAの研究者や大学院生に向けて成果報告を行いました。中島さんは、聴講者とより近い距離で議論をしたいという思いから、ポスター発表を選択しました。期待通り、研究者の方々と直接議論することで、沢山のアドバイスを得ることができたそうです。そこで、これらのアドバイスをもとに、残りのインターンシップ期間を利用して、自ら実験デザインを考え、追加検証も行いました。

オープンラボで実験をする中島さん

 「期間が限られているので、実験を失敗できないといった思いから、ずっと緊張感がありました。でも、細心の注意を払って全てが上手くいった時、これまでにない達成感を味わいました」と中島さん。インターンシップがいかに実りある期間であったかが伺えました。中島さんは、全てのプログラムが完了した後、メンターを務めた櫻井研究室の大学院生とケーキを食べてお祝いをしたそうです。

 6週間に渡る櫻井研究室での活動は、中島さんの研究への熱意を一層深めるものとなりました。中島さんはこう語ります。「インターンシップを通して、筋ジストロフィーに対する細胞移植医療の可能性と課題を学びました。今後は、CiRA櫻井研究室の大学院生として、iPS細胞とその他の技術を組み合わせて、筋ジストロフィーの治療法を開発したいです」中島さんが、CiRA櫻井研究室の大学院生となる日が楽しみです。

  1. 取材・執筆した人:三木 麻有甫


    京都大学iPS細胞研究所(CiRA) 櫻井研究室 大学院生

  2. 著者あとがき


    中島さんの研究への熱心な取り組みは、櫻井研究室のメンバーに良い刺激を与えました。特に、その知識の深さには驚かされました。筋ジストロフィーの治療法を開発するという揺るぎない目標を持ち続けている姿にも感銘を受けました。中島さんが、櫻井研究室の大学院生となる日を、ラボ一同心待ちにしています。

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