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2013年2月27日

第13回CiRAカフェ・FIRSTを開催しました。

今回は、初期化機構研究部門沖田圭介講師です。天井が高く、広々としたエントランスホールで、コーヒーや紅茶などの飲み物や、マフィンなどの洋菓子を楽しむ参加者たちに、将来の医療応用に向けた、より安全性の高いiPS細胞作製方法の改良への取り組みについて語りました。

CiRAカフェの特徴の1つは、音楽などでリラックスした雰囲気にひたっていただいた後に、iPS細胞研究についての話が聞けることです。今回はフレンチピクニックによる陽気なウクレレとアコーディオン演奏が披露されました。

フレンチピクニック

後半は、沖田先生のトークです。iPS細胞を用いた再生医療の実現のためには、iPS細胞の安全性の担保が欠かせません。ここでいう安全性のひとつの指標は、iPS細胞から作った体細胞を移植しても「腫瘍をつくらないこと」であり、腫瘍を作ってしまう原因は大きく分けると2つあります。

1つ目は、分化誘導後の移植細胞に、未分化な細胞が残ってしまうために、この未分化な細胞が腫瘍の元となるケースです。これに対し、未分化な細胞の残りにくいiPS細胞株を用いることで、脊髄損傷モデルマウスの治療成績があがった例を紹介しました。

2つ目は、分化誘導後の細胞そのものに、移植した際の腫瘍形成リスクがあるというケースです。これに対しては、iPS細胞の作製方法を改良する必要があります。当初、iPS細胞作製時には、初期化遺伝子の運び屋として、レトロウイルスベクターを用いていましたが、この方法では、導入遺伝子が染色体に組み込まれてしまいます。そこで、染色体を傷つけないベクターが開発されていることを紹介しました。

最終的にはiPS細胞の質を評価することが安全性の確保には必要ではあるものの、現実的な評価を最大限行ってもリスクをゼロにすることはできないので、リスクとベネフィットのバランスが大事なのではと語りました。

沖田講師

参加者からは、「普通は触れたくないであろうリスクを詳細に説明してもらい驚いた」、「体細胞に遺伝子を組み込んでiPS細胞になる際のメカニズムのすべてが分かっている訳ではないことに驚いた」、などとコメントが寄せられました。

カフェ参加者の様子

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