ニュース・イベント
News & Events

ニュース・イベント
News & Events

Home › ニュース・イベント › ニュース › 2015年 › イベント・セミナー › 出張CiRAカフェ「iPS夜話」第3回を開催しました

ニュース 
News

2015年12月24日

出張CiRAカフェ「iPS夜話」第3回を開催しました

クリスマスムードが漂う12月18日(金)、大阪梅田のグランフロント大阪1階にあるThe Lab. Café Lab. にて、第三回出張CiRAカフェ「新しい薬の見つけ方」を開催しました。近隣のビジネスパーソンを中心に、遠くは九州から、あわせて50名が参加しました。

冒頭に、CiRA国際広報室のサイエンスコミュニケーターである野口悦研究員がiPS細胞およびCiRAについて紹介しました。本題に入る前に、初めてiPS細胞について聞いたという人にもなんとなくiPS細胞研究の全体像をつかんでいただく時間です。

続いて、妻木範行教授(CiRA増殖分化機構研究部門)が、iPS細胞や皮膚の細胞から軟骨をつくり、薬を見つける研究についてお話しました。

20151224_kc_cafe_2.jpg
20151224_kc_cafe_2.jpg


まずは軟骨についての紹介です。私たちの体は硬い骨が支えていますが、まず軟骨ができて、それが成熟して硬い骨になります。軟骨は身長を伸ばす成長軟骨と骨と骨の隙間を埋める関節軟骨とに別れます。妻木教授は軟骨が作られない先天的な病気の治療薬を探す研究をしています。

研究を進める上で最も良い材料は患者さん本人の軟骨を調べることなのですが、患者さんから少ない軟骨を取ってしまうと患者さんの病状をさらに悪化させることになりますし、多くの実験をこなすだけの細胞を得ることが出来ません。そこで、患者さんからiPS細胞を作り、それを増殖させた後に軟骨を作ることで、病気の状態を反映した軟骨を大量に作ることが出来ます。これを使えば、様々な薬の候補化合物をふりかけて、病気を治す物質を見つけることができます。実際、妻木教授らのグループでは薬をつくるヒントを見つけており、その研究を詳細に紹介しました。今は薬の候補が、治療効果があり、なおかつ副作用があまり出ない使用濃度を探っているそうです。

最後に、参加者からの質問を受ける時間を設けました。内容に踏み込んだ鋭い質問から、研究者になるために必要なことなど、多様な質問が出ました。中でも「副作用が問題になるのであれば、副作用を抑える薬を一緒に使えばいいのではないか?」という質問には、妻木教授も目からウロコが落ちたようで、視野を広げるためにサイエンス・カフェという場が機能していることを体感することができました。



20151217_osafune.jpg
今年度の出張CiRAカフェ「iPS夜話」は今回で最後となります。毎回沢山の方にご応募いただき、大半の方に落選結果をお伝えすることになりました。多くの方に関心を持っていただきましたので、今後の開催についても検討してまいります。

なお、1月には名古屋で出張CiRAカフェを開催予定です。今回は初めてバーでの開催となります。20歳以上の方限定となってしまいますが、ご興味のある方はぜひご応募ください。
go top