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2020年12月4日

第25回CiRAカフェ「iPS細胞をつかってがん治療に挑む!」をオンラインで開催しました

 11月28日(土)15時より、第25回CiRAカフェ「iPS細胞をつかってがん治療に挑む!」をオンラインで開催しました。新型コロナウイルス感染症の予防対策のため、今回初めてオンラインで開催しました。120名以上の方にご参加いただきました。日頃なかなか関西に行くことが難しいのでオンラインで参加できてよかったという声もあり、日本各地の方にご参加いただくことができました。

 今回のカフェでは、金子新教授(CiRA増殖分化機構研究部門)が、がんの治療法の現状や人間が持っている免疫の働きについて説明したあと、iPS細胞を用いた次世代のがん治療の可能性について話題を提供しました。

パソコンの画面を見ながら話す金子教授(左)とサポートする国際広報室員

 日本人の国民病といわれているがんは、徐々に治る病気となってきています。がんの治療としては抗がん剤治療や手術、放射線治療などがありますが、最近では新しいがん治療として免疫を応用した治療が確立されつつあります。

 私たちの体内にあるTリンパ球はがんを見分けて戦うことができますが、数が少なくすぐに弱って消えてしまいます。そこで、がんを見極めるセンサーを持つ若いTリンパ球を多くつくることができればがん治療に生かせると考え、金子教授のグループでは、iPS細胞を用いてがんと戦えるTリンパ球をたくさん作る研究を行っています。現在、2つのプロジェクトを進めており、1つ目は、患者さんのTリンパ球からiPS細胞をつくり、がんと戦える若返ったTリンパ球を大量に作製する研究です。患者さんのTリンパ球からiPS細胞を作ると、そのiPS細胞はTリンパ球だった頃のがんの情報を覚えているのです。 2つ目は、再生医療用のiPS細胞ストックを使い、がんを狙えるように遺伝子を改変したiPS細胞からTリンパ球を大量に作り保存するという研究です。これにより治療効果やコストの改善を目指しています。

 参加者からインターネットを通してたくさんの質問をいただきました。「いつごろ治療になりますか?」という質問に対して、金子先生は「早く進んでいるプロジェクトであれば、順調にいけば近々臨床試験に入れる状況です」と回答しました。他にも、「すべてのがんが治療可能となるのでしょうか」「この技術で考えられる副作用は何でしょうか」という質問にも回答していました。たくさんのご質問をいただきましたが、時間に限りがありすべてにお答えできなかったことをお詫び申し上げます。

今回のカフェの内容は、CiRAのYouTubeチャンネルでご覧いただけます。

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