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2024年7月16日

吉田善紀准教授のCiRAメディア勉強会をハイブリッド開催しました

 7月4日(木)の午後、「iPS細胞を用いた心臓再生医療の現状と今後の展開」をテーマにメディア関係の方々を対象とした勉強会を対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で開催し、18名の方にご参加いただきました。

 CiRAのメディア対象勉強会は、適切かつ正確な情報発信をめざして、CiRAの研究者と報道関係者との情報交換と信頼関係を構築することを目的に、不定期に開催しています。

 今回は、吉田善紀准教授が登壇しました。レクチャーの前半では吉田研究室で行われている、iPS細胞を使った心臓の再生医療研究について話しました。心臓への細胞移植方法としては、細胞シートを心臓の表面に移植する方法と心筋内へ細胞を移植する方法がありますが、吉田研究室ではiPS細胞から作った心筋細胞を心筋内への移植する方法を開発しています。細胞を移植に適した状態にし、効率よく心臓に生着させるような研究を進めていると説明しました。実際に患者さんに移植するためには、一億個以上の心筋細胞が必要なため、バイオリアクター(培養装置)をつかって大量に作製できるシステムも構築済みとのことです。数年以内に、安全性と有効性を確かめる臨床試験に進めるよう研究を行っていると述べました。

記者に向けて説明をする吉田善紀准教授

 後半は、iPS細胞を使った創薬研究について話しました。吉田研究室では、肥大型心筋症の薬を見つけるための研究を進めています。そのため、iPS細胞から肥大型心筋症の心筋を立体組織で作製する研究を行っています。治療法を探索するためには、病気を細胞レベルで再現するのではなく、立体組織で再現することが重要です。立体組織を作ることで、肥大型心筋症の重症度の違いを培養皿で再現することができ、患者さんの重症リスクを想定したり、症例による薬剤の反応の差を予測したりすることができます。

 その他にも、iPS細胞から筋ジストロフィーの患者さんの心筋症モデルや抗がん剤による心機能障害モデルを作製しており、病気のメカニズムや新しい治療法の開発につなげたいと述べました。また、iPS細胞をつかった細胞の若返り技術の開発を行っていることも話しました。

メディア勉強会の様子

 参加者からは、「心筋細胞移植の臨床試験が間近にきていることを知れたことは有意義だった」「細胞注入のメカニズムなど、具体的な点を知ることができた」などの感想をいただきました。

 吉田准教授の講演・質疑応答の後には、メディアの方向けの研究棟見学会も実施しました。参加者からは、「研究所内の雰囲気が分かってよかった」「様々な研究が行われていることが分かった」などの感想をいただきました。

 CiRAでは今後もメディアの方に向けた勉強会など、イベントを開催して参ります。メディア向け勉強会にご興味をお持ちの報道関係者の方がいらっしゃいましたら、お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

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