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2025年1月20日

【開催報告】第38回CiRAカフェ「星の数ほどの血小板をつくる」を開催しました

 2024年12月22日(日)14:00から、第38回CiRAカフェ「星の数ほどの血小板をつくる」を開催しました。今回はCiRAのエントランスをリニューアルして以来、初めて、CiRAのエントランスホールで開催しました。4歳の方をはじめとして、様々な年代の方、31名にご参加いただきました。

 今回のCiRAカフェでは、臨床応用研究部門江藤浩之教授が、iPS細胞から大量の血小板をつくる研究について、これまでの歴史を紹介しました。

身振り手振りを交えて話をする江藤教授

 まずはじめは、江藤教授が血小板の研究にたどり着くまでの経緯を紹介しました。その道は決して真っ直ぐではなかったのですが、最終的に情熱を傾けることになる血小板研究にたどり着く話を聞いて、江藤教授に親しみを感じた参加者も多かったようです。

 江藤教授は、再生医療の成功例として輸血を紹介しました。輸血は200年ほど前から始まっており、血液を他の人から採取して患者さんの体にいれるという基本的な考え方は変わらず行われてきました。江藤教授は200年間変わらない輸血の治療概念を変えたいと思って研究を続けていると話しました。

エントランスホールで江藤教授の話を聞く参加者

 休憩を挟んで、後半には、江藤教授が現在行っている、iPS細胞由来の血小板製造を目指した研究と技術開発について紹介しました。

 2019年から始まった、iPS細胞を用いた世界初の血小板製造の臨床研究は、稀なタイプの血小板をもつ患者さんを対象として行われました(参考:CiRAニュース 2022年9月30日)。その後も血小板を大量に製造するための方法の研究は進められました。

 私達の体のなかで血小板が作られるときに、どのようなことがおきているのか。先行研究を調べたり、独自に観察をしてみたりすることで、血小板のもととなる細胞(巨核球)は、肺にある血管の分岐部に存在していて、血流によって生み出される乱流の刺激を受けて、次々と血小板を製造していることを見出しました。iPS細胞から製造する血小板も、この乱流を用いることで、これまでと比べて製造効率が改善されることを明らかにしました
(参考:CiRAニュース2018年7月13日)。

 最後に、iPS細胞由来の血小板の製造を自動化して社会実装を目指す取り組みについても紹介しました
(参考:CiRAニュース2024年9月12日)。

 その後、参加者からの質問にも一つ一つ回答し、様々な意見交換をすることができました。

 研究内容に踏み込んだ部分もあり、少々難しいところもありましたが、参加者からは、「肺で血小板が作られていることを知って驚いた」「血小板の働きや必要性、iPS細胞の可能性を再認識することができた」「先生のお話がわかりやすかった」「質問に答えてもらえてよかった」などの感想が寄せられました。

 CiRAでは今後もこうしたイベントを開催してまいります。現在予定されているイベントは、イベントカレンダーに掲載しております。

 ご興味のある方はぜひご参加ください。

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