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主任研究者
Principal Investigators

増殖分化機構研究部門 山下 潤 教授

山下 潤 写真
山下 潤 M.D., Ph.D.
研究概要

心臓や血管など循環器系は、私たちの寿命に直結する重要な臓器です。心臓はまさに命を支える臓器ですし、血管の機能低下は様々な臓器の老化から寿命の短縮につながります。私たちの研究室は、心臓と血管に関して、基礎的な研究から実際の治療応用までできることはすべて行うことを目標としています。これら循環器系をなす細胞がどのようにできあがってくるのか(分化してくるのか)に答える研究を土台として、iPS細胞技術によって心臓病などの病態を再現したり、心臓血管細胞を用いた新しい心臓再生治療の開発を行ったりしています。最終的にこれらの研究を広く実用化することがミッションです。

ヒト多能性幹細胞から世界的にも高い効率で心筋細胞や血管内皮細胞を誘導する方法の開発(Fujiwara et al., PLoS One. 2011; Uosaki et al., PLoS One. 2011; Ikuno et al., PLoS One. 2017; Fukushima et al., PLoS One. 2020)を基本とし、心臓再生に向けた研究としては、細胞シート技術を用いた3D心臓組織の作製と心筋梗塞モデルへの移植(Masumoto et al., Stem Cells. 2012; Masumoto et al., Sci Rep. 2014)、さらにはゼラチンハイドロゲル微粒子を用いた心臓組織の高度多層化(Matsuo et al., Sci Rep. 2015)に成功しました。これらの技術はそのままヒトの心不全に対する治療に応用可能であり、現在本学心臓外科学による同技術を用いた心臓再生治療の臨床研究が実現目前に迫っています。また、高効率に心筋細胞に分化する新しい心筋特異的な前駆細胞の同定にも成功し(Takeda et al., Cell Rep. 2018)、新たな心臓再生治療への応用研究を行っています。疾患モデルに関しては、単純な細胞モデルではなく、心臓組織を模したミニ3D組織を作ることにより、世界で初めてTorsade de Pointes(TdP)と呼ばれる致死性不整脈を培養下に再現することに成功しました(Kawatou et al., Nature Commun. 2017)。薬物の安全性試験や疾患再現の先進的モデルになると期待されます。細胞分化のメカニズム等基礎的研究を行い、心筋細胞の増殖機構の解明(Uosaki et al., Circ Cardiovasc Genet. 2013)、幹細胞の未分化性の制御や分化速度の制御機構(Liu et al., Biochem Biophys Res Commun. 2019; Minakawa et al., Biochem Biophys Res Commun. 2020)、細胞分化を同調させる新しい機構の発見(Minakawa et al., BioRxiv. 2021)などの研究を行っています。さらにこれらの成果を広く世に広める活動も進めており、私たちの技術をもとにしたヒト心筋細胞や内皮細胞、分化誘導キットなどがすでに製品化されています。

また多層化心臓組織を再生医療等製品として製品化し世界中で使用可能とするべく、バイオベンチャーによる事業化も進めています。これらの活動は、内閣府産学官連携功労者表彰や日本ベンチャー学会会長賞などを受賞し高く評価されています。このように独創性の高い種々の基礎研究から治療等への応用、実用化事業化まで幅広い活動を精力的に行っています。

多能性幹細胞からの系統的心血管細胞分化システムを中心とした研究の流れ

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