第5回CiRA奨励賞の表彰式を1月23日（月）に開催しました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、ハイブリッド形式で行い、主任研究者など少人数のCiRA所員が感染予防対策をとりながら講堂に集まり、その他のCiRA所員はオンラインで参加しました。

　この賞は、顕著な研究業績を挙げたCiRAの40歳未満の研究者を顕彰するものです。将来の学術研究を担う優秀な研究者を育成し、生命科学分野の発展に貢献することを目的に、iPS細胞研究基金を財源として創設されました。

　今回は、下記の若手研究者が受賞しました。

1. 増殖分化機構研究部門　吉田研究室
   Antonio Lucena-Cacace 特命助教

受賞理由：
　iPS細胞を用いて多細胞のヒト心臓オルガノイドを作り、心疾患において心機能を増悪させる要因となる心臓線維化を改善する化合物の評価系を構築する研究を行いました。病態モデルや薬効評価、安全性評価を進める上で欠かせない技術であることが、高く評価されました。

• より本物の心臓に近い心臓オルガノイドによる薬剤の効果を評価するシステム
  〜細胞間コミュニケーションを研究できるツールの開発〜

1. 未来生命科学開拓部門　濵﨑研究室
   城 憲秀 特定助教

受賞理由：
　ヒト末梢血を用いて新型コロナ反応性T細胞を検出する新たな実験システムを立ち上げ、加齢に伴う新型コロナ反応性T細胞の数的・質的変化と、新型コロナワクチンに対するT細胞応答の年齢差を明らかにしました。これは再生医療の実現に役立つ極めて重要な基礎研究であることが、高く評価されました。

• 高齢者のT細胞応答は立ち上がりが遅く収束は早い
  〜新型コロナワクチン接種機会を活用した免疫応答の個人差・年齢差の解明〜

　髙橋淳所長は表彰式で、「若手研究者を表彰することができたことを大変嬉しく思います。」と述べ、表彰状、トロフィー及び副賞を授与しました。

（左から）城 憲秀 特定助教、髙橋 淳 所長、
Antonio Lucena-Cacace 特命助教