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2021年10月11日

今年度2回目のオンラインメディア対象勉強会を開催しました

 10月1日(金)の午後、「幹細胞をつかったヒトの初期発生学の研究と、それにまつわる倫理課題」と題した記者の方々を対象とした勉強会をオンラインで開催し、13社41名の方々がご参加下さいました。

 はじめに、国際広報室の大内田美沙紀サイエンスコミュニケーター から、本勉強会の趣旨と、ヒトの初期発生と幹細胞をつかった研究とのつながりについて簡単に説明しました。続いて、ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)澤井努助教が、今年5月に改訂された国際幹細胞学会(ISSCR: International Society for Stem Cell Research)のガイドラインと、ガイドラインの中で今回緩和された14日ルールのルーツについてお話しました。 そして、未来生命科学開拓部門髙島康弘講師が、幹細胞研究の歴史を振り返ると共に、何故ヒトの初期発生を研究する必要があるのか説明し、最近の研究報告を紹介しました。

体内におけるヒトの発生と、幹細胞を使った研究について説明する
大内田サイエンスコミュニケーター

ヒトの初期発生研究にまつわる倫理と規制について話す澤井助教

ヒトの初期発生を研究する理由と期待される成果について話す髙島講師

 勉強会の後半からは、上廣倫理研究部門兼ASHBiの藤田みさお教授未来生命科学開拓部門兼ASHBiの山本拓也准教授も加わりました。藤田教授はISSCRのガイドラインの改訂に関わったワーキンググループのメンバーの一員として、14日ルール改訂に至った経緯をお話しました。山本准教授は、ゲノム解析の専門家として、これからの分子生物学の発展についての期待を述べました。また、本勉強会が開催された10月1日は髙島講師、藤田教授、山本准教授のヒト発生研究に関する共同研究が開始された日であり、それぞれ共同研究に向けた抱負を述べました。

 質疑応答のセッションでは、ISSCRが定めた14日ルールの根拠について記者を交えて議論し、幹細胞から作製するオルガノイド注1)と初期胚との倫理規制の違いや、今後の研究の発展に伴い起こりうる倫理課題についても意見を交わしました。

議論する澤井努助教(左上)、髙島講師(右上)、藤田教授(左下)、山本准教授(右下)

 新型コロナウイルスの影響が長く続きますが、CiRAでは今後もこうしたオンラインツールを活用し、より多くの方々にiPS細胞研究について知っていただく活動を続けてまいりたいと思います。



注1)オルガノイド
多能性幹細胞や組織幹細胞から分化誘導された3次元組織で、生体で認められるような構造や機能を保持しているもののこと。神経領域では、大脳、神経網膜、小脳、海馬、中脳、視床、脊髄などの領域が報告されており、神経以外では、腎臓、胃、肝臓、腸管などのオルガノイドが報告されている。

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