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2022年3月1日
宇部市にて一般向けのシンポジウムを開催しました
全国的に寒波に見舞われた2月20日(日)、 宇部市医師会及び宇部市との共催で、一般の方を対象としたシンポジウム「宇部市医師会創立・宇部市制施行100周年記念講演会『iPS細胞が拓く新しい医学 ―志のある若者へ―』」を山口県宇部市内で開催しました。今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、宇部市渡辺翁記念会館とオンラインでのハイブリット開催になりました。宇部市は雪が降る悪天候の中、およそ200名の方が会場に足を運んで下さいました。また、参加登録者にのみ案内をしたオンライン会場には 約240名からアクセスがありました。
当初は宇部市の会場でCiRA研究者が講演する予定でしたが、京都府で「まん延等防止重点措置」が継続されていることから、CiRAからの登壇者はオンラインでの参加になりました。現地の会場には、研究所で行っている研究を紹介するコーナーを設置し、山中伸弥所長の等身大パネルを展示して写真撮影コーナーを用意するとともに、iPS細胞研究の現状についてポスターで紹介しました。
宇部市の会場に設けた研究を紹介するコーナー
はじめに、iPS細胞研究所の山本拓也准教授から「iPS細胞を解読せよ!最先端テクノロジーを用いた挑戦」と題して講演を行いました。冒頭で研究内容を表したワシとライオンの体をもつ空想上の動物であるグリフィンのイラストを紹介し、このキメラ動物のように複数の専門性を身に付けて活躍してほしいと若者へのメッセージを伝えました。その後、遺伝子の配列を解読する研究分野で新しい技術が開発されて、研究の進み方が革新的に早くなったことを紹介しました。
グリフィンのイラストを紹介する山本准教授
次に、今村恵子講師が「iPS細胞を用いた神経疾患研究」と題して講演を行いました。ALSに関する研究を中心に、iPS細胞をもちいた薬の開発や病気の仕組みを調べる研究を紹介しました。既に病気の治療に使われている薬の中から、別の病気の治療に使える薬を見つけ出すために、人工知能などの技術も用いられているという研究の現状について紹介をしました。
患者さんから作成したiPS細胞を使った研究を紹介する今村講師
続いて山中伸弥所長が、「iPS細胞がひらく未来」と題して講演をしました。iPS細胞で進められている現在の再生医療に関する最新の研究状況や、新型コロナウイルスに関する研究について紹介しました。また、その中で、iPS細胞が生まれるまで、そしてiPS細胞ができた後の活動で、様々な人々からいろいろな考え方を学び、それらが研究を進める上で以下に重要であったかを話しました。
iPS細胞ができるまでの流れを紹介する山中所長
最後は山口県医師会 長谷川奈津江 常任理事が進行役、宇部市医師会 黒川泰 会長がモデレーターを務めてくださりトークセッションがおこなわれました。宇部市内の高校生および大学生4名が舞台に上がり、登壇した研究者に質問しました。「日本の研究者や研究者を志すものが意識して変えていかなければならない点は何か?」「現段階で再生が難しいと考えられる臓器はあるか?」「研究者になる過程で女性だからこそ苦労したことはあるか?」「研究をするときに、他人との競争は意識しているか?」といった質問に対して、3人の講演者が回答しました。CiRA研究者は、「チームとしての連携が必要であること」「海外の人たちとネットワークを作るためにも英語が必要であること」を強調していました。
トークセッションの様子
なお、当日の様子は一部を除き、CiRAのYouTubeチャンネルにてご覧いただけるように公開する予定です。
また、CiRAでは今後も一般の方に向けたイベントなどを開催して参ります。
開催スケジュールや過去のイベントについてはイベントカレンダーをご覧ください。