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2023年9月13日

好きな研究に没頭する大学院生活

出口 清香 大学院生

出口清香さんは、博士課程の大学院生として高山和雄講師のラボで研究に励んでいます。研究が大好きで、数多くの成果をあげている出口さんに、CiRAでの大学院生活について伺いました。

 大阪大学大学院の博士前期課程2年の時、現在の指導教官である高山和雄講師が阪大からCiRAへ移り、独立した研究室を主宰することになり、私も京都大学の大学院入試を経て、CiRAで博士後期課程を過ごすこととなりました。

 ラボが立ち上がったのは、COVID-19が猛威を振るい始めた2020年3月のことです。当時は、感染拡大防止を目的とした出勤制限があったため、ラボのメンバーが交代で出勤しました。皆で少しずつ荷解きを進めると同時に、山積みの段ボール箱に囲まれながら、わずかなスペースを確保し、実験を進めた日々を懐かしく思います。ラボの立ち上げ作業は、とても労力を要しましたが、滅多にない貴重な経験となりました。

 CiRAへ研究環境を変えたことで、オープンラボの良さにも気づきました。分からないことがある時、他のラボの方へ、扉をノックする必要なしに、気軽にお伺いできる環境はとてもありがたいです。また、他の方の実験の頑張り具合が見えて刺激になりますし、その方が見知らぬ機械を使われていると、その機器への興味が沸きます。興味の幅の広がりを感じています。

 今年は、博士後期課程の最終年度です。現在は、iPS細胞とマイクロ流体デバイスを用いて、生体に近い環境を再現した機能的な肝臓や腸管モデルの開発に取り組んでいます。これまでの学生生活を振り返ってみると、何よりも研究に没頭し続けた毎日でした。より高いグレードの雑誌への論文投稿を目指す中で、リジェクト(却下)が続き、気持ちが落ち込む瞬間もありました。でも、そのような時は、日々の実験から、今後が期待できる結果が出たりして、気持ちが回復したりしました。基本的に、研究は自分が好きでしていることなので、頑張れているのだと思います。

 個人的な決め事として、「研究発表の内容には、思い入れのあるデータを必ず1つ含む」というものがあります。研究活動では、多くの苦労を重ねたのちに、ようやく良い結果が得られ、感情が動く瞬間があります。発表の際には、得られた結果だけでなく、その時の喜びや驚きも、聴き手へ伝われば良いなと思っています。

 また、昨年度より、優秀な学部生の方と一緒に研究を進めることになりました。後輩指導は手探りの状態ですが、毎日必ず一言は声かけを行うと決め、学部生の方が質問をしやすい環境づくりを意識しています。ディスカッションをし、頑張ろうと言い合える相手ができて、研究テーマへの関心も一層高まっています。残りの期間も、これまで通り研究に集中していきたいです。

(取材・執筆:CiRA櫻井研究室 大学院生 三木 麻有甫)

<編集後記>

 今回の記事は、執筆を担当した三木さんの提案で、出口さんへのインタビューを行うことになりました。CiRAの同じフロアで研究をする二人。お互いに頑張って研究をしている姿を見て認識していたものの、会話をしたことはありませんでした。三木さんは、精力的に研究を進めている出口さんの姿を見て、一度話を聞いてみたいと思っていたそうです。インタビュー当日、二人の会話は盛り上がり、終始楽しそうでした。こうした機会が設定できて、担当者としては嬉しい企画となりました。(CiRA国際広報室 和田濵 裕之)

インタビューの様子

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