ニュース・イベント
News & Events
ニュース・イベント
News & Events
ニュース
News
2026年2月10日
【活動報告】T-CiRAプログラム10年の歩みと、次世代治療への展望
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と武田薬品工業株式会社(以下、「タケダ」)による産学連携プログラム「T-CiRA」は、10年間にわたる取り組みを経て、2026年3月末をもって終了します。
この共同研究プログラムの終了にあたり、2026年2月3日に東京都内のタケダグローバル本社にて、メディアおよびT-CiRA関係者を対象としたイベントが開催されました。報道関係者約30名を含む、約140名が参加しました。
産学がひとつ屋根の下で挑んだ10年間:メディア向けイベント
まず、メディア向けイベントが開催され、タケダのクリストフ・ウェバー代表取締役社長CEO、梶井靖R&Dジャパンリージョンヘッド、CiRAの山中伸弥教授・名誉所長が登壇しました。
冒頭でウェバー社長は、山中教授のリーダーシップのもとT-CiRAメンバーが積み重ねてきたこれまでのたゆまぬ努力に対し、感謝の意を述べました。
(左から)握手をする山中教授とウェバー社長
続いて登壇した山中教授は、iPS細胞の力で医療を変えるという目標のもとにはじまったT-CiRAの10年間の歩みを振り返るプレゼンテーションを行いました。その中で、T-CiRAで行われた研究の一部は、オリヅルセラピューティクス株式会社やアロイ・セラピューティクス、C4U株式会社といったベンチャー企業に引き継がれたことを紹介しました。
具体的には、重症心不全および1型糖尿病に関する研究はオリヅルセラピューティクス株式会社に引き継がれ、iPS細胞由来膵島細胞シート移植に関する医師主導治験もすでに開始されています。iPS細胞由来のCAR-T(iCAR-T)療法を用いた免疫細胞治療の研究は、アロイ・セラピューティクスへと引き継がれました。
またプレゼンテーションの最後に、「T-CiRAメンバー全員にとって、挑戦的で学びのある10年間でした。基礎研究を患者さんに届けるのは非常に時間がかかる困難な道のりです。長い道のりの中でこの10年はかけがえのない時間でした」と話しました。
(左から)メディア向けイベントでの梶井R&Dジャパンリージョンヘッド、山中教授、ウェバー社長
質疑応答で、記者からT-CiRA研究プロジェクトを今後どのように続けていくかについて尋ねられ、山中教授は「T-CiRAはこれで終了しますが、アカデミアの人間としては、その先に患者さんが待っているプロジェクトであれば、何が何でも続けたいと思っています。ベンチャー企業の立ち上げや国からのご支援、寄付などいろんな手段を使ってプロジェクトを続けたい。あきらめなかったものが最後に勝つと思っています」と語りました。
社会実装に向けた展望:Takeda-CiRAシンポジウム
メディア向けイベントの終了後、T-CiRA関係者向けのイベントとして「Takeda-CiRAシンポジウム:次世代治療への架け橋」が開催されました。
シンポジウムでは、T-CiRAのプロジェクトを牽引してきた、CiRAの金子新教授、井上治久教授、東京科学大学総合研究院の武部貴則教授、および研究成果を活用しているオリヅルセラピューティクス株式会社の伊藤亮事業部長が登壇しました。T-CiRAで行われた研究プロジェクトや、そこから派生したベンチャー企業の動向など、研究成果の社会実装に向けた具体的な展望が紹介されました 。
金子新教授
井上治久教授
武部貴則教授
伊藤亮事業部長
閉会の挨拶で山中教授が、「アカデミアの研究がホップ、T-CiRAの10年間はステップ、そしていよいよジャンプする準備が整ったかと思います。これからのプロジェクトの成功や優秀な人材が羽ばたいていくことを楽しみしています」と述べたように、CiRAはこれからも、この10年のT-CiRAプログラムで得られた成果と知見を活かし、iPS細胞技術による革新的な医療の実現に邁進してまいります。
参考サイト
